マハーバーラタ歌舞伎、ほぼスターウォーズだった。
※追記※
ep.9の時にスターウォーズ歌舞伎あったんかい!!しらなかったです!!ごめんなさい!!
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歌舞伎にハマったきっかけは何段階かあるのですが、まさに今年が個人的第三次歌舞伎沼深まり期な気がします。FFⅩ歌舞伎、とうらぶ歌舞伎に出会えたのはものすごく大きかったです。
じゃあ第一次と二次はいつだったのかという話なのですが、二次はナウシカ再演でした。宝塚の男役がときどきドレスを着て女性の役をやる(=通称:男役の女装)ところが好きな宝塚ファンとしては、女形でありながら武将のように花道を駆けていくクシャナ殿下を見て「これは、、女形の男装、、では、、?」と、その色気にひっくり返りそうになりました。あと、王蟲の精の踊りが素晴らしすぎました。あれよあれよと菊之助、丑之助親子の出る公演をチェックするようになってしまいました。一次は音羽屋ではなかったので割愛します。
で、11月歌舞伎座のマハーバーラタ戦記も見てきました。
菊之助さんのチョイスする題材、一貫性があっていいなぁ。趣味がわかりやすいです。題材的にも演出的にも、これとナウシカを経てFFⅩに辿り着いたのかー!と、すごく腑に落ちる作品でした。
マハーバーラタもナウシカもFFⅩも、自分ではどうにもできない境遇に生まれた主人公が自らの運命を受け入れて戦う話です。マハーバーラタはなんかそこそこ大きくなってからお父さんが神様だったことをいきなり知らされて争いを止めろとか言われるし、ナウシカは過去の人類の愚行によって世界がめちゃくちゃになったせいで現在進行形で腐海と戦争に巻き込まれつつある国を治めないといけないし、FFⅩもナギ節をもたらしためっちゃ有名なすごい人の子どもたちが父ちゃんたちよりもっとレベル高いことを期待されちゃうし。やってられません。そしてこれらは、ある意味歌舞伎のお家に生まれた子たちにとってすごく共感を寄せられる題材なのでしょう。
名門に生まれた歌舞伎俳優がこういう題材をチョイスしてくるの、かなり刺さります。とくに菊之助さんのような年代の方だと、お家の芸を身につけて自分のものにする作業と並行して若手の面倒を見ないといけない、まさにそのどっちもを1番求められる年代なんじゃないかと想像できます。もう少し若い方がこういった題材を選ばれていたら、ちょっと青臭い感じになってしまいそうですけど、まさに息子さんと同じ舞台でこれらをやられているので、次の世代へのエールとしても選んでいらっしゃるのかな?なんて思えます。完全に妄想ですが。
で、観劇中ずっと考えていたのですが、マハーバーラタってすごくスターウォーズっぽいんですね。当然マハーバーラタは神話ですから、スターウォーズの源流にもしかしたらマハーバーラタがあるのかもしれないという順番なのですが。I am your father!みたいなことを言ってるシーンが父子間に限らず3回くらいありましたし。オーウェンおじさんとベルーおばさん的な育ての両親も出てくるし。男性と交わっていないお母さんによって生まれて使命を背負ってる感じも、完全にシミが産んだ「フォースにバランスをもたらすもの」ですし。大詰めのカルナとアルジュナなんて完全にep.6のダースベイダーとルークじゃないですか。父子じゃなくて兄弟でしたが。カルナはダースベイダーともルークとも取れてかなり面白かったです。コミコンでヘイデン・クリステンセンと写真を撮るために大金払うスターウォーズオタクなのでめちゃくちゃ楽しかったです。
……菊之助さん!スターウォーズ歌舞伎やりませんか????スターウォーズのキャラクターは和服のデザインがすごく取り入れられているのでめちゃくちゃ相性いいと思います。それに、FFⅩを見た時に、飛空艇のシーンで「スターツアーズじゃん!!!」って思いました。笑
絵面も派手で歌舞伎あまり見ない方にもおすすめです。歌舞伎かどうか以前にエンタメとしておもしろいです。決戦の前にずらっと両花道に各陣営が並ぶのも、それぞれの殺陣の見せ場があるのも最高。戦隊モノやプリキュアや刀剣乱舞が好きな人も好きになると思います。
芝のぶさんと彦三郎さんが特に素晴らしかったな。あとはヒロインじゃない米吉さんが素敵でした。Theヒロイン!な米吉さんばっかり見ていたので、こういう役もっと見たい〜〜と思いました。芝のぶさん、宝塚にいてほしい。専科にいそう。最高。ハリーポッター歌舞伎やってベラトリクス・レストレンジやってほしい()
再演ナウシカの際に莟玉さんを気になり出したことで、歌舞伎のおうちの生まれじゃない方の役付きや養子とお弟子さんの違いを知りました。そしてFFⅩの時に、歌舞伎ファンの方々がプログラムに芝のぶさんや吉太朗さんの写真が菊之助さんたちと同じサイズで載っていることにぶったまげていらっしゃるのをSNSでみて、その凄さを知りました。それからそんなに長く経たずに、歌舞伎座であんな大きな役をされている芝のぶさんを見て胸が熱くなりました。菊之助さん、歌舞伎のおうちの役者にも、そうでない役者にもエールを送っていらっしゃるように見えます。素敵な人だなあ〜〜
夜も見たのですが、三社祭がたのしかったです!善玉と悪玉のお面、どのくらい視界あるんだろう??ってオペラグラスでのぞいてしまいました。「善」「悪」の文字の部分はメッシュになっているんですね。11月は顔見世とあって、初心者でも知っている役者さんが勢揃いで楽しかった〜