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“バスや鉄道”に装備される機器をつくる仕事

レシップ(株)で働く二井さんを、もとまるが訪問!

レシップ(株)は、バスに設置されている運賃箱や照明、行き先を伝える表示器などをつくる会社です。全国で唯一、バスの運行に必要なあらゆる機器を取り扱っており、現在日本中で使われているバスの運賃箱の約6割、鉄道の運賃箱は約9割がレシップでつくられています。今回は、その機器の設計を担当している二井秀平さんの仕事を見学しました。


レシップがつくっているバスや鉄道の機器

生活に身近なものづくりに携わりたい

機器設計部 二井秀平さん

子どもの頃にものづくりの仕事に憧れていた二井さんは、機械をつくるための勉強をするため、本巣市内にある岐阜工業高等専門学校に進学。今も続けているというテニス部に入り、汗を流した後に仲間とご飯を食べに行ったり、アルバイトをしたりと、本巣市での生活を楽しんでいたそうです。
 
その後、一度は工場の機械を動かすプログラムをつくる仕事をしていましたが、もっと生活に身近な製品の設計をしてみたいと考えていた時に、バスの機器をつくっているレシップが本巣市にあることを知り、入社することに決めました。
 
現在、二井さんはお客様の必要とする仕組みを組み込んだ機器を設計する仕事をしています。レシップでは、さまざまな機器をつくっていますが、二井さんは主にバスの運賃箱に入れられたお金と整理券を自動で分別し、一日の売上金額を計算してくれる精算機や、カードや携帯電話の情報を読み取って運賃を支払うことができるICカードリーダーなどの設計を担当しています。


二井さんは運賃箱に集められたお金を自動で計算する機器などを設計

お客様の思いを設計して製品に

バスや鉄道に設置される機器は、バスの種類やルート、会社ごとに決められたルールなどによって、必要とされる機能はさまざま。そのため設計の仕事は、まずお客様の要望を聞いて、どんな機能を取り入れるかを決めるところから始まります。お客様の声から最も使いやすい機器を考えて提案し、それを実現させるための設計図面を作成します。
 
図面ができてからも、部品の製造会社に希望を伝えたり、システムをつくる部署や組み立てを行う工場などと打合せをしたりと、多くの人とコミュニケーションを取りながら機器の完成まで寄り添います。時には、できあがった機器を設置する現場まで行き、しっかり動くかどうかを確認。うまく動かなかった時はその場で修理などのメンテナンスをして、問題なく動くまで見届けることもあるといいます。


製品が完成し、うまく作動するまで管理

二井さんに設計の仕事の難しさを聞くと、「お客様の要望に応えるためには、今までのやり方ではできないことも多く、常に新しい提案をすることが求められます。その点は大変ではありますが、先輩や他の部署の人にも相談しながら考えた機器が、実際に動いているところを見ると、うれしさはひとしおです。多くの人の役に立てる製品なので、やりがいも大きいですね」と、苦労の分だけ強く感じられる喜びを伝えてくれました。


カードや携帯電話の情報を読み取るICカードリーダー

次の提案につながる新たな試みに挑戦

近年、レシップでは1つ1つの機器をつくるだけでなく、快適にバスや鉄道を利用できるよう、運行状況を管理したり乗客の利便性を高めたりするシステムづくりにも取り組んでいます。二井さんも、こうした流れの中で「もっと新しい製品づくりやこれまでにない提案をできるようになりたい」と考え、新たな挑戦をしています。
 
その1つとして、数年前から所属している部署を超えて、新製品をつくるプロジェクトに参加。バスが走っている場所をリアルタイムで把握し、乗務員がバス会社とコミュニケーションをとったり、到着するバスの情報をバス停にある表示機で伝えたりできる「バスロケーションシステム」の開発に携わり、名古屋市内を走るバス約1000台に提供しました。


名古屋市内のバスとバス停に設置された「バスロケーションシステム」

この経験を通して二井さんは、「バスに関する製品をトータルに扱っている会社なので、幅広い分野のスタッフとチームを組むことができ、今までにはなかった発見や刺激をたくさん得ることができました。新しい経験によって、次の仕事に役立つ知識が増えていくのも、設計の魅力だと思います」と、挑戦することの大切さを改めて感じることができたといいます。二井さんは、これからも多くのことを吸収して提案力のある人材を目指していきたいと、成長につながる新たなチャレンジに意欲的に取り組んでいます。


経験や知識を増やして提案力を高めたいと語る二井さん

全国に誇れるこの仕事を地域に発信

レシップでは、地域の子どもたちに地元企業の仕事を知ってもらおうと、工場見学や職場体験、インターンシップなどを積極的に受け入れています。学生時代を本巣市で過ごした二井さんですが、「当時は、馴染みのある本巣市にこうした業界トップクラスの会社があるとは知りませんでした」と当時を振り返ります。

地域の子どもたちの工場見学のようす

「公共交通機関であるバスや鉄道は、普段の生活にも密着しているので、社会に貢献していることを実感できる仕事。ぜひこうした仕事が地元にあることを、多くの人に知ってほしいです」と、二井さんは地域の産業を担う次世代へ仕事の魅力を発信することで、将来歩む道の選択肢の1つになればと期待を寄せています。


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