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ひるね6編
1997年6月17日(火)
⚀向こう側から
目の前に薄い膜が張ってて、その向こうに何かがいて、その何かが膜を伸ばしてこちらをのぞくのだった。伸縮性がある膜がサッと。瞬間だからわたしにはちらっと何かが見えただけだったけど、向こうは見えてたのか?
⚁選択
わたしの選択肢は2つしかなかった。
どちらも十分にわたしを幸せにすることはない道。
どちらを選べばよいのか。
⚂虫
男の子と女の人が、畳に釘を斜めに打っていた。畳の目に隙間があいた。
虫が来るよと教えようかと思って、やめた。
虫が来たからなんだっていうのだ?
⚃リンくん
リンくんへ手紙を書こう。
9歳で日本に来ていまは21歳。
彼は両親の愛に恵まれなかったけど、いま、母親と仲良くしてる。
そういうリンくんと自分を比べて自分を責める。
⚄毒
海に浸かって頬杖ついてる猫と人。
赤いもの(発疹)が海面に点々と散らばった海。
(心身に充満してしまった毒は、皮膚から出ることがある。)
⚅海
「こんな、神経に障る写真」と喪服のK叔母さん。
なぜ? 海だよ。
K叔母さんは、わたしの異常なけがを気にかけていた。それと関係があるのかもしれない。