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おきあがれない小法師

1997年7月30日(水)
彼女がいろいろな物をくれた。なぜかみな灰色だったが、わたしにはその色がわかった。
記憶しているのは2点だけ。白地に何か描かれた湯のみがふたつ。ひびが入った湯のみ。貫入ではない。ベビーピンクの起き上がり小法師。倒してみたら倒れたままだったから、こぼしに足はないが、足の辺りが壊れているのがよく見えた。
どの品も彼女が子どものころの私物だから古いのは当然だけど、どれもこれも壊れているようだった。
どうしてこんなものばかりくれたんだろう?
不思議な気持ちで、ひびが入って表面が一部欠けている倒れたままの
起き上がり小法師を見ていた。

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