能天気
1998年1月13日(火)
ロシアのおじょーさまは十二くらいで、いつも機嫌がよく、人の話には耳を傾けている。「いまは、それが必要ですからね」というばあやの言いつけ通り、青を着ている。
皮肉で憂鬱な先生には感化されなかった。この娘は能天気過ぎると先生は気にしている、というか、能天気が先生の気に障る。
おじょーのばあやは、能天気はよいことだと信じている。
円筒形の部屋の壁に沿ってゆるやかな階段があって、おじょーは壁の絵や写真を見ながら上へ歩いていって、ドアを開けた。わーっと、小さな子どもたちが大勢飛び出した。