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小学校教員が学級崩壊について考える
元公立小学校教員で、元私立小学校教員の国立小学校教員です。今回は、学級崩壊について考えてみたいと思います。
僕は、学級担任をしていた時に学級経営がうまくいかないと思うことが多々ありました。根性で踏ん張っていた時もあれば休んでしまったこともあります。
振り返ってみると学級崩壊していたと考えるのが適切だったと感じるのです。その経験から学級崩壊ってなんで起きるの?と思い、大学院で学んだことをお伝えしたいと思います。
1.予言の自己成就
皆さんは「予言の自己成就」という言葉を聞いたことがありますか。僕は先月の大学の授業で初めて聞きました。
僕は、兵庫教育大学大学院生をしています。先日、山中一英先生の「円滑な学級経営のための力量形成」という授業を受けました。
その中で「予言の自己成就」について教えていただきました。
予言の自己成就(self-fulfilling prophecy)
「個人が,意識的あるいは無意識的に,自己の予言や主観的期待に沿うような結果を生じさせる行動をとったために,自己の予言や期待通りの結果が出現する現象。または,そのような予言」(『社会心理学小辞典』有斐閣)
つまり、信念や偏見が「現実」をつくりだすということなのです。
2.教師期待効果(ピグマリオン効果)
教師期待効果とは、アメリカの教育心理学者であるロバート・ローゼンタールによって提唱された心理学用語です。
他者からの期待を受けることでその期待に沿った成果を出す傾向にあること
教師期待効果は、予言の自己成就現象の一つとして位置づけるられます。つまり僕たちが児童の様子を作りだしているという可能性があるのです。
3.ポジティブな働きかけが重要
前年度の引き継ぎで「◯◯さんは粗暴で大変です。」という記述や前年度の担任からの助言により僕たち小学校教員はナーバスになり、ネガティブな印象を持ってしまうのかもしれません。
うまくいかなかった時、僕は心の中で「この子達は無理かもしれない」「やっぱりしんどい学年なんだ」とネガティブに考えて、叱責や指導をしていました。
しかし、現状を悪化させていたのは僕自身だったと思うのです。
4.おわりに
今回の学びから学級崩壊の一つの要因を考えることができました。自身の経験を振り返っても納得できることが多くありました。
大学院学びでは理論と実践の往還を行うことができます。僕にとっては何気なく行っていた指導や仕事を考えるきっかけになっています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。