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3日坊主でいいじゃないか

3日坊主でいいじゃないかと思う。
3日坊主だとしても、得られるものはある。
少なくともやったことはあるのだから、最初のさわり部分くらいは手をつけているから、以後とっつきやすくなっているはずだ。

私が経験した、ド定番の挫折について語る


今でこそ笑い話になるが、私は大学生当時、簿記3級の勉強をしようとして1週間かからずに挫折したことがある。
友人と話す中で、資格を取った方が就活は有利になるらしいぞっていうベタな話になって、だったら簿記かオフィスソフトあたりだなと思った。

簿記3級のテキストを開くと、1ページ目から出てくるのが借方・貸方だ。
私にはこの借方・貸方の概念が本当に全くわからなかった。
ページ数にしたら4ページ分くらいだ。
だが、さっぱりわからない。脂汗がにじみでる 
が、わからないものはわからない。
なにがわからないのかがわからない。

正式なデータはとったことないが、簿記を挫折する人の9割は借方・貸方がなんのことかさっぱりわからずに挫折しているのではないか。
ギターを弾けるように練習する人の最初の関門がFコード(ギターの6本の絃を人差し指1本で全部抑えなければならない)であるのと似ている。

まぁ、この経験があって、私は誰かに簿記を教える際には借方・貸方の概念をいかに身に着けてもらうかを最重要視している。これができたら簿記3級なんて50%は攻略できたようなものではないかと思う。

3日坊主だったから,こその攻略


月日は流れ、その後、やはり簿記3級はいくらなんでも取っておかないとだろうということになって、改めて学習を再開することにした。
その際に3日坊主の経験が非常に活きたのだ。

最初に出てくる貸方・借方こそが最重要課題だぞというのは理解していたので、ここを理解できるまで絶対に諦めないという断固たる覚悟を持って学習を始めたのだ。

とはいえ、覚悟したくらいで理解ができるのなら誰も苦労はしない。いきなり最初から理解は無理だ。
そこで私がとった作戦は、借方貸方の概念については一応「わかったつもり」にしておいて、テキストを読み進めるということにした。

商売をしていて、品物が売れて、現金が手許に入ってくる。
現金1000円/売上1000円 という仕訳になる。
これでいえば現金が入ってくる左側が借方、売上が立ったら貸方、で右だ。

何度も何度も、受け渡しの動作を両手両腕でやっているうちに、お客様へ品物を渡すのが右手だから、貸方、自分に入ってくる方がその逆で左側だから、借方、という理解をした。
借方貸方という言葉以前に、その勘定科目がどちらのベクトルを指しているのか、ということにようやく理解が及んだのである。

こうなってくると、この後に出てくる売掛金、買掛金、仕入、などの取引も学習を進めていく都度受け渡しの動作を両手両腕で行いながら理解をすすめていった。

簿記の学習を始めるにあたって、最初に最大の難関があること、そしてそこをクリアしなければ学習が進まないことを昔の3日坊主で体験していたからこそ、今度は簿記の学習を挫折しないで済んだのだ。

(余談・簿記3級試験の合格のキーポイント)


簿記3級試験は3つのキーポイントを抑えれば合格できる。すなわち第1問、第3問、第5問だ。

・第1問…仕訳問題が5題出る。1問4点、合計20点の配分だ。1問あたりの配転と考えると他の設問よりもかなり大きい。そのため「一見単純に見えるけれどうっかりミスを誘う」ような設問が多いのが特徴だ。また、勘定科目の書き間違いや、使えと示されていない勘定科目を使うと即、失点となる。3問間違えると-12点。合格基準の70点を考えるといきなり土俵際に追い込まれるので気を付けよう。

・第3問…合計試算表、残高試算表、合計残高試算表のいずれかが出るところ。配点は30点。ここは出題される試算表のカタチが3パターンのどれかになるので、パターン化させて覚えておきたい。どのカタチでどこを記入するのかを覚えておくところから。
なお、試算表の貸借欄の数値は一致しなければならないのだが試験本番だとどうしても一致しない時がある(=どこか間違えている)。その時は残り時間と他の問題のボリュームを考えて先に第5問などを解いておいてもいい。どうせ貸借一致しても2点とか3点くらいしか配点はない。

聞かれるポイントもだいたい似通ってくるので過去問を何度も回しておくこと。

・第5問…試算表問題。見た目に圧倒されるが、やっていることは第3問とあまり変わらなかったりする。ここを苦手にする人が非常に多いのだが、はっきりいって見た目だけ。
過去問を時間無制限で徹底的に解剖してみることをおススメする。
私が受験した際にも、この第5問がいちばんとっつきにくかったので、過去問と解答解説をA3でコピーして並べ、見比べながらどこの数字がどこと反映するのかをカラーで図解して覚える修行を行った。

この修行は朝8時から始まり、眠くならないようにあまり食べ物をとらず、何回分も写経、図解、自分で徹底理解、を繰り返した。

もし誰かの参考になればうれしい。


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