
<前編>MVVCを見直しました~タスキー100人体制に向けて~
こんにちは、タスキーグループの菊池です
2025年、タスキーグループは次のステップに向けて、自分たちの経営理念であるMVVC(Mission/Vision/Value/Culture)のうち、「Value」と「Culture」を見直しました(リンク)
そこで今回は、その見直しの背景とプロセス、および新たな「Value」と「Culture」にどんな想いを込めているかなどを、お話したいと思います。
前後編に分け、まず前編ではMVVCの見直しの背景とプロセスまでをお話します
「これからMVVCを見直そうとされている会社様」
「タスキーってどんな会社なの?と興味を持っていただいている方」
といった皆様の参考になれば幸いです。
どうぞよろしくお願いします!
MVVC見直しの背景
タスキー100人体制に向けて
タスキーグループは設立から約10年間、一歩づつ成長を積み重ねてきました。
特に2023年には、BPO事業「B-tas」の法人化、新たな拠点となる「つくばオフィス」の開設、および街づくり事業を行う「株式会社BT」の本格稼働など、事業の規模も範囲も一段と拡大させていくフェーズに入ってきていました。
人員面でも、2023年度は22名から30名へと増やすなど、順調に増員を行っていました。
そして昨年2024年、タスキーは年始の経営方針発表会において
「3年後の2027年までに100人体制を作る」
ことを掲げ、その最初のステップとして、2024年中に30名の人員数を1年間で50人まで増加させる、という方針で船出をしました。
が、、結果としてこの人事方針は上手く行きませんでした。。。。
2024年、30人の壁に阻まれる
事業面では、2024年はむしろ好調であった1年でした。
新設のつくばオフィスが非常に順調にスタートでき、「B-tas」のユーザー数も着実に伸ばすことができました。
一方、人事面でみると、2024年1月に30人だった人員数は、12月末時点で32人と、総じて人員が増えていない状況となりました。
採用自体は順調に出来ていましたが、それとほぼ同数の退職が生じる結果となったのです。
なお、退職の要因はさまざまでした
(ここでは書けない不誠実な出来事もありました。。。。泣)
ただ、いずれにしても、
『メンバー間での価値観(Value)の共有や、組織文化(Culture)マッチがこれまで十分に出来ていなかったこと』
が、30人の壁に阻まれた根本的な要因でした。
新たに事業も拠点も拡大していくにあたり、タスキーとして大切にすべき考え方の目線合わせが十分に出来ていなかったのだと、反省をしました。
また、これから30人を超えてメンバーを増やしていくにあたり、タスキーが大切にしている考え方をきちんと明示して、カルチャーマッチが図れるようにすることは極めて重要だ、と改めて考えました。

(2025年経営方針発表会資料より)
メンバー共通の判断軸として、自分たちの言葉でValueとCultureを再考
なお、これまでも、タスキーはMVVCを設定していました
ただ、そのうち「Value」と「Culture」については、他社の事例を参照して選定したということもあり、十分にメンバー間の中で浸透が図られていなかった、という実態がありました
実際、2024年の夏季研修では、多くのメンバーがValueとCultureを答えることが出来ないという状況も露呈しました
(これは内緒ですが、かくいう私も、全部は答えられませんでした。。)
こうした状況を踏まえ、
借りものではない、自分たちの言葉でValueとCultureを再考しよう
そう考え、ValueとCultureを見直すことを決めました。

MVVC見直しPJ発足!その見直しプロセス
新たなValueとCultureを見直すにあたっては、
「今後10年20年とタスキーを続けていくにあたり、次世代を担うメンバーが選定すべし」とのCEO青谷の考えから、役員ではないメンバーを中心にチームを組成しました。

(2025年経営方針発表会資料より)
そうして、新たなValueとCultureの見直しプロジェクト、通称”カルチャーPJ”が発足しました
以下では、カルチャーPJの具体的な見直しプロセスをお話していきます。


仙台オフィス、つくばオフィス、育休中のメンバーがいるため、Web会議が中心となりました
STEP1:そもそもMVVCってなに?ーそれぞれの定義付け
新たな「Value」と「Culture」の見直しにあたっては、
まず、MVVC(Mission/Vision/Value/Culture)そのものの用語の意味をきちんと定義付けし、メンバー間での認識をすり合わせることから始めました。
MVVCは、現在多くの企業で設定がなされているものの、その組み合わせや設定していることばの抽象度などはさまざまです。
MVVC自体の定義は企業によって異なり、明確なものがあるわけではありません。
そのため、MVVCの定義があいまいなままプロジェクトが走り出してしまうと、その後のプロセスで同じような意味合いのワードを複数選定してしまったり、ValueやCultureそれぞれの階層でのワードの抽象度が揃っていなかったりといった状況が生じてしまうと考えました。
そこで、カルチャーPJでは、他社の事例や参考図書も踏まえながら、
まずMVVCそのものを、以下のように定義しました
「Mission:タスキーが果たすべき役割・使命」
「Vision:タスキーが実現したい未来像」
「Value:タスキーが大切にしている価値観、判断軸」
「Culture:タスキーの価値観を体現する文化、行動原則」
そのうえで、各階層の大きな関係性として、
・MissionとVisionを実現するためにValueとCultureがある
・Valueは、メンバー1人1人が立ち返る判断軸になるものである
・Cultureは、Valueをより具体化した行動原則である
ということをメンバー間で改めてすり合わせしました。
実際、このタイミングで認識のすり合わせをしたことで、後工程のワーディングで迷子になりかけた際、非常に役に立ちました
STEP2:MissionとVisionを深堀りー青谷色川にインタビュー
次に実施したのは、MissionとVisionの深堀りです。
STEP1で定義付けしたように、ValueとCultureはMissionとVisionを達成するための手段ですので、その見直しにあたって、改めてMissionとVisionの言葉に込められた意味を深く理解することは、非常に重要なプロセスでした。
深堀りにあたっては、創業者であるグループCEOの青谷、そして黎明期からタスキーを支えるCSO色川に、MissionとVisionに込めた想いをインタビューしました。菊池自身も、タスキーにジョインしたのがMissionとVision設定後の2023年で、その想いをきちんと聞いたことは無かったので、非常に良い発見と気づきの機会となりました。
ここで改めて、タスキーのMissionは、
『人と人とをつなぎ、未来へタスキをつなぐ』 です
これは、会計・税務・労務・デザインといった、専門性を掛け合わせた仕組みづくりにより企業と地域社会のインフラとなり、未来へのタスキリレーに貢献する、という想いを込めています。
そして、タスキーのVisionは、
『LOCALから新たな価値を』 です
ここでいうLOCALとは、「地方」だけではなく、「人や地域が持つ固有性、独自性」のことです。わたしたちは、LOCALの強みが発揮される社会のために、挑戦する人や地域と伴走する、という想いを込めています。
この理解を踏まえて、いよいよ具体的に、どのような要素をValueとCultureに入れていくかのワークをSTEP3と4で実施していきました
STEP3:ValueとCultureの要素選定①ー演繹的アプローチ
始めに実施したのは、
「MissionとVisionを実現していくために、どのような要素がタスキーのValueとCultureとして備わっているべきか」、
つまり演繹的なアプローチからの要素の選定です。
STEP2でのインタビュー結果を基に、どのような要素がValueやCultureに含まれていると望ましいかをプロジェクトメンバー間で議論し、洗い出しを行っていきました。

右下にはキングダム山の民・・・
STEP4:ValueとCultureの要素選定➁ー帰納的アプローチ
次に実施したのが、
「現状の制度、文化、口グセ、取組、個人の価値観から、ValueとCultureを考える」、
つまり帰納的なアプローチからの要素の選定です。
これまでタスキーが取り組んでいる制度や慣習、メンバーの口グセなどは、タスキーが有しているValueやCultureが表出したものといえます。
そこで、「玉ねぎモデル分析」と呼ばれる分析手法をベースに、タスキーに存在する「儀式・慣習」「制度」「口グセ」などを列挙していき、それらはタスキーのどんなValueやCultureから生まれたものなのか?(その根源にあるValueとCultureとは何か?)についてプロジェクトメンバー間で議論を行っていきました。

これまでのタスキーの取組等を洗い出し、それがどのようなValueとCultureを表しているのかを議論しました
また、プロジェクトメンバー以外も含めた全タスキーメンバーで、自分が大切にしている価値観を列挙していく「価値観ワーク」も実施しました

メンバー各人が大切にしている価値観がどのようなものかについて分析を行った
STEP3の演繹的アプローチとSTEP4の帰納的アプローチ双方向からのワークを行った結果、どのような要素をValueとCultureとして選定するかが見えてきました。
具体的には
「誠実」「主体性」「長期目線」「ワクワク」「連携」「挑戦」などなど。。。 といった要素です
なお、ここで選定された要素はいずれも、どの組織においても大切にするべき普遍的なものです
ValueとCultureをタスキーらしいものにしたい、という想いはありましたが、
「数ある普遍的な要素の中から、どれをValueとCultureとして選定するか」
「選定した要素を、いかに自分たちの言葉でValueとCultureとして表現するか」
に自分たちらしさが出てくると考えていましたので、要素自体について、
あえて突飛なものは選定しませんでした。
STEP5:自分たちの言葉での言い回しを考えるーワーディング
最後はいよいよワーディング、つまり「選定した要素を、いかに自分たちの言葉でValueとCultureとして表現するか」のプロセスです。
このプロセスが、一番大変だったかもしれません。
各自が案を持ち寄り、議論して、また振り出しに戻り、そもそもValueってなんだっけ?から考え直してみたり、、

時には絵をかいてみたりしてイメージを共有しながら議論を実施しました
そうして議論を続けていると、
ポンと、「それいいね!」
と全員が思えるワードが1つ、また1つと出てきました。
そして、ついに新たなValue3つ、Culture6つを設定することができました。。。!!!
結果として、新たに設定したValueとCultureは、以下の通りです。

迷ったときの判断軸となる、大切にしたい価値観を選定しました。

具体的な行動規範として、イメージしやすい言葉になるよう意識して選定しました。
おわりに
途中のプロセスでは何度も迷子になりかけましたが、
最後には納得のいく、タスキーらしいValueとCultureが選定できました。
次回の後編では、各ワード込めた想いと、今後の浸透施策についてご紹介したいと思います。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。