やがて砂へと還るもの
タイトル画像のガラス瓶は、砂に還ろうとしています。
ソーダガラスとは、結晶化されていない水晶です。
水晶に、ソーダ灰 、石灰を混ぜて高熱にかけて溶かして作られます。
800度→700度→500度→3~400度→600度と温度管理をしながら圧迫、徐冷の過程を経てガラス瓶は作られていきます。
ガラスは見た目固体に見えるけれど液体だ、といいます。
ガラスとは、"液体を急冷して結晶化させずに粘度が固体と同じ程度の非晶状態あるいは、無定形状態として固化させたもの"だとされます。
(引用 : https://60you1.com/quartz-glass/)
そのガラスが白化してガラス瓶の中で結晶化したものが
タイトル画像右のボトルです。ガラス瓶の中に水晶ができています。
ガラスの寿命は長いとも言われますが、この世に誕生してから長い時間を経たガラスは砂に還って行こうとしているのをよく見かけます。
昭和のガラスの歴史についてはわたしもまだまだ浅学で、これからより深く知っていきたいと思っています。
その中で、わたしが出逢ったとても細かくてびっくりした瓶がタイトル画像左の瓶です。
これ、今でいうパッキンの役割をしています。
ガラス瓶の瓶口をガラスで栓をして、その上からキャップを取り付ける構造です。
とんでもない発想だ!と初めて見た時に感動してしまいました。
結局はキャップと瓶口の間に挟まれてほとんど割れてしまって、完全なパーツとして残っているものはわずかなのですが、
必要に気がついて、思いついて、作ってみて、失敗して、改善をして、
その繰り返しでしか新しいものも良いものもできません。
その過程を見ることができた。その結果を時代を超えて見ることができた。
こんな贅沢なことがあるのか!と。
TASK LAB.には現在2万本を超える様々なアンティークボトルがあります。
その1つ1つが時代と人の想いを伝えてくれるようで、その声を聴きながら
そして、今、その頃から香水吹を作られていた方からのアドバイスをいただきながら、
アンティークボトルのリストアをしています。
やがて砂へと還ってしまう前に
香水を楽しむために作られた香水吹。
やがて砂へと還ってしまう前に、香水吹として楽しまれてほしい。
そのチャレンジは非常に困難を極めるものでした。そして、1年間地道な作業を続ければ続けるほど不可能なのではないかという気持ちすら湧いてくる状態です。
でも、少しずつ、リストアできた香水吹もあります。
横コレ2024が初お披露目です。
どうぞ、ブースでご覧になってください。
そこで、何を感じるのか。どう感じるのか。
キレイで不思議な世界を、どうぞご体験ください。