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短編235.『ドロー・ザ・ライン』

 サグライフの腹探るルポライターが港湾の溝に挙がるケープタウン。

 公安の事件か、それとも単なる事故として処理されるのか。

 額に穴が空いてたなら自殺として報告。たとえ火薬輪はなくとも。

 お遊びじゃないぜ、これは。

 今日も何処かで確かに起きてる裏街道の出来事。

 マトリ、ポン引き、裏取引。ディーラー、プッシャー、ハスラー、ボーラー。

 お馴染みの名前が交差する、まるで一個小隊。

 踏み込んじゃいけないラインはテレフォンカードで引くラインとは違って目には見えない。

 仲良しになんてなれない。隙は見せない。ましてや腹なんて見せも見せられもしない。馴れ合いとは程遠い探り合い。

 学校じゃ教えてくれない公式使った頭脳戦。

 一つのヘマが命取り。

 ランボルギーニよりも速いドングリは

 顔射よりも的確に眉間に着地。

 ルミノールに光る液体は壁を伝って床に流れる。

 放り込まれる夜の海。

 冷たさを感じることはもう出来ない。



#サグライフ #リリック #詩 #小説 #短編小説

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