短編145.『ペンは剣よりも強し。その軸が折れるまでは』
心ない言葉は緩衝材をすり抜け、人を内部から駄目にしていく。
鋼のように鍛え上げた肉体を以てしても、心を内側から喰い破る”言葉”というものには無力だ。
どんな防護服も、(例えそれが連邦軍支給の)防弾チョッキであっても易々と貫通する。
言葉はエイリアンのように、宿主の体内に卵を産み落とし、生を搾取し、死へと成長を遂げたある瞬間、生命の皮膜を喰い破る。
この地球上にあって、言語は違えど殆どの人間が言葉を話す。
互いを分かり合う為、もしくは拒絶の為に。
前者の根底にあるのは愛であり、後者に流れるのは加虐性だ。
東京オリンピックが炙り出した旧態依然とした価値体系を
脱ぎ去りきれるのだろうか。
人間は。
#東京オリンピック #オリンピック #開会式 #辞任ドミノ #言葉 #暴力 #エイリアン #小説 #短編小説 #エッセイ #詩
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?