![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35481318/rectangle_large_type_2_8b29b7c41403544a220de5c00634444d.jpeg?width=1200)
個人事業からの法人化 その②
起業家サポーター 税理士の河合です。
確認すべき3つのポイントとして
① 所得税がかかる構造
② 法人税がかかる構造
③ 社会保険料の負担の問題
前回、法人化を検討するときに、気をつけるべきポイントとして、①所得税がかかる構造について、お話しました。
② 法人税がかかる構造
今回は、法人税がかかる構造について、お話させていただきます。
一番のポイントは、法人税と所得税は、税金がかかる構造が違うんです。
所得税は、累進課税といい、儲かれば儲かるほど、税率が上がっていく仕組みです。(もちろん上限はあります。)
https://note.com/taskall_gorilla/n/n741fb9b5d10e
法人税(国の税金)の構造はもっとシンプルです。
【法人税率】
これの他に、地方法人税というものがあります。これが、10.3%
でも、そこに事業税、都民税(地方の税金)が加わってくるので、少しややこしくなります。
【法人事業税】
【法人都民税】
法人税はシンプルだとお伝えしましたが、いくつも税金がかかる構造があるので、わかりにくくなりますね!
話を単純化させるために、実効税率というものを使います。
ようは、全体の平均値をとるということです。
法人税は大きく課税される所得が、800万円までの部分と、それを超える部分に分かれます。
課税所得800万円までの部分
税金がかかる所得が、800万円までの部分
【法人税率】
8,000,000円×15.0%=1,200,000円
【地方法人税率】
10.3%
【住民税率】
7%(標準税率)
【事業税率】
4,000,000円×3.4%=136,000円
4,000,000円×5.1%=204,000円
合計340,000円(実質税率 4.25%)
【地方法人特別税率】
43.2%
ここで実行税率というものを考えてみます。
税金がかかる所得が800万円までの部分は
22.32%
課税所得800万円を超える部分
税金がかかる所得が、800万円を超えると、税率が上がります。
例えば税金がかかる所得が2,000万円だったとしたら
【法人税率】
8,000,000円×15.0%=1,200,000円
12,000,000円×19.0%=2,280,000円 ← 800万円まで部分より税率up!
合計 3,480,000円(実質税率17.4%)
【地方法人税率】
法人税額×10.3%
【住民税率】
法人税額×7%(標準税率)
【事業税率】
4,000,000円×3.4%=136,000円
4,000,000円×5.1%=204,000円
12,000,000円×7%=840,000円 ← 800万円まで部分より税率UP!
合計1,180,000円(実質税率 5.9%)
【地方法人特別税率】
43.2%
税金がかかる所得が2,000万円のときは
26.61%
税金がかかる所得が増えると、もう少し税率が増えますが、おおむね中小企業の場合には
22%から28%程度
法人税の場合は、所得税の累進課税という6つ階段がある構造と違い、法人税の場合は、実質2つ階段の構造なので、所得税よりもシンプルだ、ということが言えます。
この税金がかかる階段が、どこの階段までだったら所得税が有利、この階段から法人税が有利だというように判断します。
ここまでの話・・・
だけでは、まだ足りません。
通常、個人事業でやっていた場合には、自分の給料=売上-経費(自分の事業で儲けた部分)となります
が
法人では、個人事業とは違い、自分の給料(役員報酬)が経費になります。
有利不利を判断するためには
① 個人事業での税金負担+社会保険料負担
② 法人事業での税金負担+個人の税金負担(給与)+社会保険料負担
①と②を比べて、どっちが有利かを判断することが必要です。
次回は、社会保険料の負担について、お話したうえで、有利不利について検討してみたいと思います。