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コインランドリーの思い出
僕の住むアパートは、1番下の階がコインランドリーになっている。
このコインランドリーは、深夜に使用している人が結構多い。
残念なのは、利用客はおじさんがほとんどだってことだ。
昔読んだラブコメみたく、近所の綺麗なお姉さんがラフな格好で使用してるわけじゃない。
(展開的にラブコメじゃなくて快楽天だったかも…)
さらに良くないのは、このコインランドリーでは、
週末の深夜になると、もはや洗濯をせずに床や椅子で寝ている人たちがいる。
彼らのレパートリーは季節によって様々だ。
夏になると恐らく同じアパートか
終電を逃して帰れなくなった酔っ払いたち
冬になると家のない人たち
etc
etc
深夜まで働いて帰ってくると、この寝てる人達の光景で、時間や季節を感じたりする。
残念ながら、綺麗な女性とは出会わないので、
快楽天みたいな恋愛は発生しないけど…
さて、最近の僕とコインランドリーの関係はこのくらいにして、
今から話すのは、昔コインランドリーで出会ったヤバい人のお話。
同時、僕は関東に住んでいて、当時の新卒社会人にはよくあるようにブラック企業勤めだった。
家に帰れない日が続くと洗濯物は溜まるが、夜中に帰ってくるので洗濯機は回せない。
そんな時には、近所のコインランドリーを利用していた。
深夜の4時とかになるとコインランドリーには、人はいない。
その日も誰もいないコインランドリーで洗濯物を回した僕は疲れて家に戻る気がしなかったので、入り口のすぐそばにあった椅子に座って雑誌を読んでいた。
雑誌を読んでしばらく経ったころ
ふと雑誌から目を離して前を見ると、目の前に男の人が立っていた…
彼は目の焦点が定まっておらず、口もだらしがなく空いている。
何をする訳でもなく、そこにただ立っている。
何より不気味だったのは、どこから現れたのかわからない事だ。
なぜなら、唯一の入口の前には僕が座っていたからだ。
いくら疲れていても人が入って来れば気がつく。
目の前の「もしかしたら人ではない存在」の出現にに数分動けなかったが、彼と目があってしまうとヤバいことになりそうな気がして、僕は気力を振り絞ってコインランドリーから脱出した。
そのあと、近所のコンビニに駆け込んだのはいいが、冷静に考えると洗濯物は回収しなければならない…
散々悩んだが、1時間後に恐る恐るコインランドリーに戻ってきて遠くから様子を伺った。
そっと観察していると、明け方になってきたからか、おそらく洗濯物をもったオバちゃんが近づいて来るのが見えたので、1人じゃないことに安心して、
彼女と同じタイミングでコインランドリーに入った。
…なかには「例の男」はいなかった。
ほっとして自分の洗濯物を回収しようとしていると、
いきなりおばちゃんが悲鳴を上げた!
急激に鳴り響いた悲鳴にびっくりして、おばちゃんの方を見る。
そして、次の瞬間に全ての疑問は解決した。
なぜなら、おばちゃんが使おうとした洗濯機には、「例の男」が丸まって入っていたからだ。
悲鳴を上げ続けるおばちゃん
それに反応して、なぜか雄叫びをあげる「怪奇現象ではないヤバい男」
何をどうしたらいいかわからなくなった僕は、とりあえず人生で初めて警察に通報した。
お巡りさんは意外と早く到着して、「ランドリー男」は保護された。
僕とおばちゃんは軽く事情を聞かれて解放された。
お巡りさん達の話の感じ、彼はどうやら当時流行りの脱法ドラックをキメておかしくなっていたようだった。
深夜のコインランドリーには、ヤバいやつがいる。
この思い出から、僕はその後コインランドリーを深夜に使用していない。
みなさんも深夜にコインランドリーを使う時は気をつけほしい。
そこには、少しラフな格好をした美人のお姉さんはいなくて、酔っ払いが入口に転がっているかもしれない。
そして、洗濯機の中には
前の人の洗濯物ではなく「ヤバいやつ」が潜んでいるかもしれない。