『ズッコケ怪盗Xの再挑戦』の感想

一作一作がパラレルワールドであり、三人組たちの「あり得たかもしれない小学校6年生の記録」を追っていくのが我々読者なわけですが、ついにズッコケに「つづき」という概念が持ち込まれました。
そう、今作は「ズッコケ三人組VS怪盗X」の続編であり、きちんと前回のストーリーを踏まえた冒頭は、毎回きちんと三人組の紹介からはじまるシリーズのなかでは、随分不思議な感じがします。もちろん、前作を読んでなくても十分楽しめるところはさすがですが、是非ここは、しっかり復習してから読むのがおすすめです。

前回、三人組によって茶器を盗み出すことに失敗した怪盗X。その復讐も兼ねてなのか、三人組を利用してその茶器を盗み出します。
その方法は、なんとカセットテープによる遠隔催眠。この辺のニュアンス、江戸川乱歩って感じがしますね!

今回は、再挑戦(リターンマッチ)だけあって怪盗Xが強いです。ここで大人を勝たせるあたりが那須節だなーと思います。子どもが読者だからと言って、子どもに甘くない。ただ知恵比べに負けるわけじゃなく利用されてしまうあたりも、とっても屈辱的です。悔しい!

最後には三人組も一矢報います。しかしながら、今回は三人組の負けなのではないでしょうか。これはきっと、最後の戦いがあるに違いない……(あります)その時を楽しみに、シリーズを読み進めようと思います。

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