30代の価値観(2018年作)
―好きという言葉が君を狂わせる
あの頃、どんなに引き留めたくても…
その言葉の意味をわかろうとはしなかった
わかりもしなかった
『友情』と『愛情』
『恋人』と『友達』
『同僚』と『後輩』
『上司』と『部下』
今や全ての意味を理解出来る
不安定なやわらかさで包む なんてことは…
いかに難しいか。
時を、年を重ねてしまうと
それらすべてが難解で…
答えに値する方程式はない
たった9年前の私は
まだ目の前が明るく
30まできっと程遠く
思っていたかもしれない
2012年も越え…
2020年になるころには
地球がないかも
なんて思っていた自分の人生は
今の職場に来て
出会いと、
いくつもの成長と
いくつもの苦痛と
いくつもの裏切りがあり
それでも仲間をいくらでも作り…
それなのに
『好きな人』は出来なかった…
だからこそ
ここに記してきたものは皆
自分の道を阻むモノへの
偏見と侮辱だった
でも今や
9年経って…
三十路をとおにすぎた頃
失うことへの恐怖の方が強くなった
あの頃より
明らかに同志は減る
わかってくれる人はひとにぎり
誰も自分を自分らしく
見つめてくれる人はいない
わかってしまった以上
誰かを好きになること
信じて交流すること
そして守りたくなること
それらすべてを捧げるには
臆病になる
受け身でいることが怖い
――時間はもう無いのに…