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小林一三と五島慶太

過日、元宝塚の優ひかるさんとお話をする機会がありまして、創始者の小林一三さんの話で盛り上がりました。

小林一三さんは私も本当に好きな大茶人でとてもリスペクトしてます!!

話ながら、小林一三と五島慶太のエピソードを思い出しました。


(以下、逸翁・耳庵研究所の文書を引用させて頂きます。)

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大晦日に近い日、五島から初めてお点前をするから参考のために見に来いと招きを受けた。遠慮のない友人のみ呼んだという。

行くと、五島は洋服に腰布をつけて茶碗を持って茶道口から入ってズシンズシンと座った。また建水を持ってどかっと座る。

茶入の紐を解く頃になると、流石に天下をとる豪傑らしく、ポケットから大きなテキストを取り出しそれを拡げながら読んでは茶筅を握る。

一頁を繰っては茶碗を拭く。
茶道口が開け放してあってその陰から後見が芝居の黒子の様に小さい声で「水指の蓋をおとりあそばせ」などと言うのが聞こえる。

五島この時少しも騒がずお点前を続ける。
客らは笑っては失礼と心得て。
最初の程は涙をそっと指で抑えていたが、その内にハンカチを出して眼を抑えると、服部・篠原・中村らはほうり落ちる涙をのみ、口をくいしばって笑うまいかとして苦労している。

一三は、「私は親の死んだ日このかたこんなに涙を流した記憶はない」と、ビッショリ濡れたハンカチを口にくわえながら見ている程に、庵主は依然として堂々と後見の指導を受けながら、兎にも角にもお濃茶を終えた。

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