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BIでDXしたらブチギレられて退職された話
DX人材の需要は高い
だが、悲しいことに
めちゃくちゃ嫌われるし
背中から撃たれる
社内政治に負けたらファイヤーされるのも
想定の中に入れておいた方がいい
一方でめちゃくちゃ感謝される
でも嫌われた時のインパクトがデカすぎて
数多の感謝してくれる人々が
霞んで見えなくなるくらい
ダメージがでかい。
今日は吾輩がある人に嫌われた挙句
その人が退職までされた話をしよう
※お名前等にフィクションを含みます
猫井さん(仮名)とExcel
そのある人を猫井さんと仮名する
猫井さんは毎日大量のExcel集計するポジションの人だった。
とても大切な業務指標を集計する業務なので
みな猫井さんに感謝していたし
結構、労力のかかる仕事だから
他の誰もやりたがらなかった
猫井さんは日々工夫をし
より集計作業が楽になるよう
VBAを駆使して効率化も怠らなかった。
吾輩セミナーでBIを知る
BIの存在を知った吾輩は
ウキウキと猫井さんに話し
猫井さんもとてもウキウキ前向きに
BIの話にのってきてくれた
データ系のお仕事をされてる方ならば
ご存知かと思うがBIはそれだけあれば
解決する魔法のツールではなく
そもそもデータの基盤となるデータベースのほうを整えないと運用できない。
そこで、猫井さんはまず
データの再定義や
ドキュメントの整備をとても頑張った。
なかなか骨の折れる作業
なにしろ量が多いし
色々な変遷があって再整理しないといけないことがたくさんあったのだ
別部門で似たような話が進んでいた
ある時、別部署の人と話してたら
たまたま似たようなBI構想が進んでることが発覚し、
あれ?これ相乗りしたらいいんじゃね?
と思い、上司には話たけど
「うーん、どうだろうねぇ」と流されたので
きっと今じゃないんだなぁと思い
そのままにした。
猫井さんに話すべきだと思ったけど
上司に止められた。
なぜ止められたのかはよくわからなかった。
上には上の事情があるのかもしれない。
半年後
異なる部署で似たような話が進むのは
もったいないと思っていた吾輩は
上司や他部署の様子をチラチラ伺い
拒否されないようにゆっくり説得し
見事半年後にBIのためのデータベース構想の合意を取り付けた。
ホクホクしながら猫井さんに話したら
めちゃくちゃブチギレられた。
正井さん全員にキレる
猫井さんの怒りたるや凄まじく
この件の全員にどうゆうことだと
メンションをつけてチャットを送信してきた
吾輩、真っ青。
吾輩の先輩、部長含めて
真摯に詫びるタイムが発生する
部長は頭を捻って
誤解である旨を懸命に説明した。
そして(猫井さんの中で)主犯である
吾輩は猫井さん呼び出され
いったいどうゆうことなのだと詰め寄られる
たぶん、人生で一番きつかったように思う
いったい何をどう説明し
何に謝罪したならば
猫井さんの怒りが収まるかわからなかった。
とにかくお怒りの話を聞き
申し訳ございませんと謝罪。
嵐が過ぎ去った後に
別の部署の人からも誤解であるとお話し
なんか猫井さんは納得されたようであった。
DXは人の努力を踏み躙る
吾輩が悪いのだろうか
猫井さんに一報を入れようとして
止めたのは上司なのに
上司は猫井さんの中の主犯にならなかった。
でも、吾輩が悪いのだ
伝え方を誤ったんだ。
いや、もっと本質的なことを
吾輩は分かっていなくて
たぶん、世間様にボコボコにされるような
人の気持ちがわからない人間なんだと思う。
3ヶ月後
正井さんは辞めた。
それからの吾輩
もう怖くてあまりBIの話を言わないようにした
正直、その担当者が何らかの事情でいなくなった後か、業務担当変更があるか
上司からの明確な指示がなければ
吾輩がBI導入を無理に進めることはない
でもExcelで毎日3時間もかけてるような集計はデータベースを整えてBIに接続すれば
それは全て全自動になる
全自動になって作業が楽になるとも言えるけど誰かのプライドをズタズタに
切り裂く行為であり
最悪はその人のポジションを奪う行為である
猫井さんポジションの補充はない
だって吾輩が自動化してしまったし
たまに保守が必要なくらいだから。
業務効率化がされたからって
別に会社が理不尽に人をクビすることはない
ただ単に誰かが辞めたら補充されなくなるだけ
そうやっていったい何人のポジションが消えていったんだろう。
たぶん、吾輩は会社の利益のために
正しいことをしてるのかもしれない
でもそれでは会社のメッセージは
『人を減らすためにDXを進めてる』
ことになってしまう。
だから言葉だけではなく
態度で明確に示さなければ
会社に漂う暗雲たる空気は晴れない。
協力してくれなくなる。
DXは人減らしのためにあるのではない
PIVOTなのだ。
市場の変化と共に
新しい領域変革していくだけ。
サラリーマンは
保守的な人材にしか務まらない説がある。
それはそうだと思う。
でも保守的になりすぎれば
市場においていかれて
カニバリズムが起きるかもしれない。
変化は必要だ。
それは間違いない。
でもその変革に痛みが伴うこと。
支えてきてくれた先人に敬意が払えないならば、居場所が無くなるのは吾輩の方である。
DX人材は勇者だ。
でも、正義の為に多くの人を踏みつけた
大罪人でもある。
参考書籍一覧
『日本全国、全部署回覧! うちの職場がムリすぎる。』
『ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方』
『業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ』