うつ病でも幸せ,悲しみに対処する
人生ではいいこともあれば悪いことも起きます。
大切なものを失ってしまった。
人間関係でつまずいて孤独を感じている。
恋愛がうまくいかない。
仕事で大きな失敗をしてしまった。
頑張ったことが水の泡になってしまった。
愛する人が居なくなってしまった。
このような出来事が起きたとき、胸が苦しくなると同時に、悲しい気持ちになります。
どうしようもなく悲しい気持ちになったときには、どうやって対処していけばいいのでしょうか。
悲しいときの対処法
1、思いっきり泣く
悲しい気持ちのときにやってはいけないのは、悲しいという感情を抑圧することです。
たとえ悲しみの原因となった事柄から時間が経っていても、「いつまでもグダグダしていたらよくない」と、悲しみに蓋をしてなかったことにしてしまうと、心の中にしこりが残ります。
すると、いつまで経ってもすっきりせず、引きずってしまうことになります。
心には時間の概念がないので、時間が経ったからといって悲しみが解消されるわけではありません。悲しいときは、自分の気持ちを否定せず、しっかりと受け入れていくことが大切です。
たとえば失恋してしまったときなどは、思いっきり気の済むまで泣いてみましょう。
家でひとりのときであれば、人目を気にする必要はありません。
感情がこみ上げるままに素直に泣いて、自分の気持ちを解放させていきましょう。
泣く行為には自浄作用があり、涙とともにいろいろな感情が外に出ていくので、泣き終わったあとはすっきりした気持ちになるはずです。
2、ルーティンを作り、継続する
喪失を経験した後の日々の活動は、以前とは違うもののように感じられるでしょう。
しかし、時間が経つにつれて変化していきます。
起きて、仕事に行き、それを繰り返すという、いつも通りの生活を送る人もいれば、毎朝ベッドメイキングをして、忘れずに朝食を作るといった、小さなことから始める人もいます。
あなたのルーティンがどのようなものかは重要ではありません、ただ、そういったものを持つよう最善を尽くしてみましょう。
「悲しみは私たちの安全な感覚を揺るがしますが、ルーティンは安定感を生み出し、それがしばしば安全性へと繋がっていくのです」と、専門家も述べています。
3、信頼できる人に心の内を話す
人に話をするのも、心を整理し悲しみを癒す効果があります。
ただし、話す相手は慎重に選びましょう。
悲しくて落ち込んでいるときは、自分の話をそのまま静かに聞いてくれる人が理想です。すべてを肯定し受け入れてもらうことによって、心は安心感を取り戻していきます。
アドバイスをしてきたり、「気にしすぎだよ」などと気持ちを否定してきたりするような相手だと、余計に落ち込んで心が閉じてしまいます。
家族や友だちに話すのもいい方法ですが、近い関係性だと私情が入ってしまうことが多く、自分事のように感じて過剰に反応したり、なんとかしなければと善意でアドバイスしたりしてしまう人が多いです。
その点、プロのカウンセラーであれば、第三者の視点から静かに話を聞いてくれるのでオススメです。
人に話しても問題は解決しないと思うことがあるかもしれませんが、人に話すことによる効果はかなり大きなものがあります。
話を聞いてもらうと、気持ちが整理されてスッキリするだけではなく、自分の本音にも気づくことができるようになります。
悲しいと思うということは、自分にとってそれが大切なものであることを表しています。
恋愛がうまくいかなくて悲しいのであれば、相手の男性や、誰かと何かを分かち合うことが自分にとって大切だということ。
悲しみの下に眠る自分の愛情に気づくことができると、やさしい気持ちに包まれます。そうやって自分を肯定していくことができるようになることが、立ち直るための大きな力となるのです。
4、気持ちを紙に書きまくる
悲しみのあまり喜怒哀楽といった感情で頭の中がいっぱいになっていると、落ち込んだ状態からなかなか抜け出すことができないかもしれません。
そのような時は、今の気持ちを紙に書き出してみましょう。
部屋に紙やペンがない時はスマホのメモアプリを使ってもOK。この対処法では、オブラートに包んだりせず、本音で思っている気持ちを正直に書き出すことがコツです。
想像以上に頭の中が整理され、やがて客観的に自分を見られるようになって、辛い気持ちがすっきりします。
5、いっそのこと寝て、気持ちをリセットする
自宅にいると考える時間が増え、悲しい時は原因になったことを特に繰り返し考えてしまいがち。
不安や苦しい気持ちがどんどんエスカレートしていきます。
考え込んでしまう時間をなくすには寝てしまうのが一番。
起きた時には気持ちがリセットされ、「あんなことでなぜ悲しくなっていたんだろう。」と立ち直ることがよくあります。
落ち込んだ時は、いくら考えても良い答えが出なくて苦しいだけ。
抜け出すには眠って立ち直るようにしましょう。
6、自分の好きなことに没頭する
考える時間がたっぷりあると悲しい気持ちを持続しやすく、繰り返し辛い事を思い出してしまう傾向もあります。
その対策には、悲しいと感じる時間の余地を極力減らして自分の好きなことに没頭するのもおすすめ。
また、自分が好きなこと以外にも、ジグソーパズルなどの没頭できる単純作業を行い、悲しい気持ちに陥る隙やマイナスの考えに浸る時間自体をなくすという手もあります。
7、Netflix、YouTubeなどで動画鑑賞をする
落ち込んだ時や悲しい時は、別のことに集中して気分を紛らわすことも対処として有効です。
自宅で気分を紛らわすには、「Netflix」や「アマゾンプライム」、YouTubeなどの動画配信サービスがおすすめ。
映画やドラマ、アニメなどから、ストレス解消できそうな作品を視聴してみましょう。
また、普段なら見ないようなジャンルも気分転換には意外と効果あり。
感動作で涙を流したりコメディを楽しんだりした後はきっと心がスッキリ。
落ち込んだ気持ちもポジティブに変わるはずですよ。
8、好きな音楽を聞く
嫌な経験をして泣きたくなってしまうこともあると思います。
イヤホンやヘッドホンを装着して、お気に入りの曲を再生して気分をリフレッシュさせてみましょう。
ただし、邦楽の失恋ソングなどを聴くと逆効果になることも。歌詞がストレートに伝わってしまうので、内容によっては悲しみが増してしまいます。
おすすめは洋楽やインストロメンタル。
アップテンポな曲で気分を上げたり、ヒーリング系の曲で心を癒やしてみてくださいね。
9、自分にご褒美を与える
おいしい食事や旅行、ショッピングやマッサージに行くなど、自分にご褒美を与えてください。
そうやって自身をケアすることで、リフレッシュでき、前向きになれるかもしれません。
ただし、自分にご褒美を与えるためにお金を使いすぎてしまうと後で後悔するかもしれないので、金額を事前に決めておくといいでしょう。
10、ジムや散歩に行って体を動かす
悲しい時、自分の体が重たく感じられることはありませんか?
家にいてつい悲しいことを考えてしまうのなら、思いきってジムや散歩に出かけ、心と体をリフレッシュさせましょう。
汗を流して新鮮な空気を味わえば、悲しいことに囚われていた頭もスッキリとします。
ハードな運動が苦手という方は、ペットの散歩に出かける、ラジオ体操・ヨガ・ストレッチを行う、部屋の掃除で汗を流すなど自身にとって無理がない方法を選びましょう。
11、自然や芸術に触れる
自然や芸術に触れることも心の癒しになるため、悲しみが和らぎます。
自然豊かな絶景や風に揺れる木々の音、花の匂いなどによって視覚・聴覚・嗅覚などが刺激されることが癒しにつながっていると考えられています。
また、海や山など壮大な自然に触れると、悲しみそのものが小さなものに思え、前向きになれることもあるでしょう。
芸術に触れることも五感が刺激されるため、悲しみを和らげるおすすめの方法です。
自然豊かな場所に足を運ぶ時間がない忙しい人でも、美術館であれば会社帰りに気軽に立ち寄れるのではないでしょうか?
12、キャンドルの炎などを見つめながらリラックスする
炎をぼうっと見つめる『ファイヤーセラピー』もおすすめです。
たき火やキャンドルの炎の揺らぎには、人が本能的に心地よいと感じるリズムがあり、リラックスできるといわれています。
レストランやバーでテーブルにキャンドルが置いてあると、何となく落ち着くと感じたことがある人もいるでしょう。
たき火やキャンドルなどの動画を見るだけでもリラックスできるといわれているので、スマホがあればどこでも気軽に試せます
13、受け取っていた「大切なもの」に気づく
私たちの心は、事実を受け入れることによって修復していきます。
悲しみの感情は個人差によりますが、長くても「20日くらい」でおさまります。
これは、脳の記憶を形成するニューロン神経回路が、3週間ほどで「新しいもの」に変わるためです。
そうすると、新しい「情報」が脳に記憶されるたびに、悲しみも少しずつ消えていきます。
ですが、悲しい出来事「そのもの」は、忘れることができません。
楽しいことで気を紛らわせたり、アルコールに浸って一時的に消せたとしても、その「記憶」は存在し続けます。
このとき重要なのは、日々受け取っていた大切なものに気づくことにあります。
悲しみが強いときは、
自分の無力感
自分への後悔
自分への罪悪感
こういった、自責の念に駆られるかもしれません。
やりきれない思い、悔しい思い、とても辛く、寂しく、悲しいです。
ですがその失ってしまったものには
今まで自分に安心をくれていたこと
今まで自分を愛してくれていたこと
今まで自分を幸せにしてくれていたこと
こういった、日々受け取っていたものがあります。
これは、ご自身が再び新しい幸せを築く大切なものです。
大きな悲しみは、今まで心の中にあった幸せが、大きく無くなってしまうことで起きます。
ですが、その「無くなってしまった」と思える場所には日々受け取っていた大切なものがたくさん残っています。
悲しい出来事に直面したときは、立ち直るのに時間を要するかもしれません。
そのときは、ゆっくり時間をかけて過ぎ去った日々の「大切なもの」を思い出してみてくださいね。
その情景が消えないかぎり、私たちの心は再び「新しい安心・愛情・幸せを築き始めていくことでしょう。
14、時間が経つのを待ってみる
上記の方法でもすぐに気持ちが切り替わらない場合もあります。
時間がやわらげてくれぬような悲しみはひとつもない。
という有名な言葉があります。
ゆっくりと時間をかけて整理していくことを心がけてみましょう。
どうしても悲しみが嫌で早く切り替えたいと思いがちですが、ちゃんと処理できていない気持ちは、心の中に留まったままになり、あとで必ず戻ってきます。
ゆっくり時間をかけていくことも全く問題ないことですので、時間とともに気持ちが整理できるときに向けて無理せず過ごしてみましょう。
私たちが生きていく中では、愛する人との別れ、大切なものとの別れは必ず来ます。
長い月日を重ねてきたほど、たくさん親しんできたほど心の悲しみになります。
胸が苦しくなって涙がこぼれるのは、それだけご自身の愛した「存在」が大きかったんですね。
そして、それだけご自身のそばに居てくれたんだと思います。
人は同じ時間をたくさん過ごすと、大切なことを忘れてしまうものです。
いま感じている安心や幸せも、たくさん過ごしてきた時間が作り上げてきたものです。
私たちの中にある「大切なもの」は、こういった時間によって作られます。
ですので、いつもご自身のそばに居てくれる「存在」をずっと大切にしてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
皆さまの幸せを祈っております。