タロットの起源 - カタリ派起源説 - マルセイユタロットそしてマグダラのマリア
トランプはタロットカードの
小アルカナ(数カード+宮廷カード)
と対応していると言われています。
<数カード>
♠️ spade 剣 ソード 風
❤️ heart 杯 カップ 水
♣️ clover 杖 ワンド 火
♦️ diamond 玉 ペンタクル 地
<宮廷カード>
J ジャック 小姓
Q クイーン 女王
K キング 王
ジョーカー 愚者
*「ナイト騎士」がトランプから消えているのはなぜか?についてのホドロフスキーの説はおもしろいです。
*スートとエレメントの対応は、一般的には上記のものが多いですが、異なる説もあります。
タロットの起源はいくつかの説があり、定説はありませんが、このトランプ(プレイング・カード)に大アルカナが加わった説として、一部で支持されているのがカタリ派起源説です。
というもの。
Kathar(カタール):清浄
という意味を持ち、
『わたしたちの心の奥にあるもの(神聖なもの)に根ざして生きていく』
という思想を受け継ぐ人を、「カタリ派」と呼ぶそうです。
グノーシス的な考えと似ていますね。
gnosisu(グノーシス):知識・認識
自己の本質と真の神についての認識に到達する考えのことです。(神は自らの外にいるのではなく、内側にいる)
カタリ派は教会や聖職者を通してではなく、個人が直接神とコンタクトできるという教えのため、正統派ローマ教会からは異端とされました。
また当時の南欧では、女性も自分の財産を持つことが許されていたそうです。とても珍しいことで、この地域が女性に開かれた文明をもっていたことがわかります。
そしてカタリ派は、女性を聖職者階級として受け入れていました。1209年まで、女性と男性はほぼ同等であったとか。
タロットの大アルカナには、斎宮(女性聖職者)が描かれています。
また現在のタロットの原型となっている、”ヴィスコンティ・スフォルツァ版”を作らせたヴィスコンティ家は、カタリ派の伝統を中心的に受け継いできたと言われています。
キリスト教により弾圧され、その教えが途絶えることを危惧し、一見しただけでは理解することのできないシンボルにして、大衆にも広がるようにゲーム(トランプ)に紛れ込ませたのだとしたら……
天才か。
地下に潜ったり生き残ったカタリ派の人たちは、理解してくれそうな人にだけ、絵に託されたアルカナ(秘密)を口伝で打ち明けたと言われています。
命がけです。
異教徒であることがばれると捕まってしまいますから。
実際にカトリック教会の権威者は、異端的だからという理由でタロットを糾弾していたみたいですし。
また一部では、中世タロットはグノーシスを促すための道具だと考えられていたそうです。
でも最初に述べた通り、正確にはタロットの起源はわかっていません。
色々な説があるし、現存する証拠だけで判断するものでもないだろうと考えています。
これから新しく出てくることだってあるだろうし。
歴史ってそういうものだと思ってます。
カタリ派が拠点とした南仏は、イエスの妻だったという説のあるマグダラのマリアが、イエスの子と共にイエスの処刑後に流れ着いた地であるとも言われています。
マルセイユを含む南仏は、マグダラのマリアを信仰とするお祭りが行われたり、黒い聖母像を持つ教会が多数存在する地域。
マグダラのマリアを信仰するグノーシス主義キリスト教の一派は、特徴として黒い聖母マリア像を持っていたとされています。
”起源”というのをどう捉えるか。
個人的には、タロットに込められているものは全体性(神)と個を融合させるための道標だと考えています。
古代からずっと口伝などで受け継がれてきたものが、どこかで”タロットカード”という物質としてカタチになったのではないかと。
真理は変わることのないものなので、教えそのものの起源をたどれば、エジプトや中国どころか宇宙にまで遡るのでは。
だからこそマルセイユタロットには、宇宙の言語である幾何学的構図のコンセプトが継承されているのだろうとおもいます。
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