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発達障がいと働くことの現状【これからの課題とは何か】
こんにちは,umenoです
「うちの子は社会に出てから大丈夫か?」
こういった意見は療育の現場でよく聴かれます
教育フェーズは守ることができても,社会人フェーズでは守られないことも多いです
そういったことを親御さんも実感しているため,不安に感じているのだと思います
今回は”発達障害をもつ方が働くこと”について現状と,”この点に関する社会課題は何なのか”についてまとめてみました.
この記事が親御さん,教育療育関係の皆さまだけでなく,広く多くの方の参考になれば幸いです.
①働くこととは何か
大きい部分として”経済的な自立”が挙げられます
他にも自己実現,社会貢献などいろいろな意味も含まれると思います
働くことが全てではないとは思いますが,”働くことが必要”となる可能性は高いです
②教育フェーズから社会人フェーズに変わった時に起きること
”与えられる”よりも”与えること”が多くなるということだと考えます
与える側になると,求められることも多く,それに応えていく義務が発生します.
また組織に属する場合は,自分の意思とは関係なく,その組織に合わせて行動しなければならない場面も多くなります
③障害者雇用制度について
日本では障害者の雇用についての決まりがあります
障害者等が希望や能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍することが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会を目指し、障害者雇用対策を進めています。
障害者の雇用対策としては、障害者雇用促進法において、企業に対して、雇用する労働者の2.3%に相当する障害者を雇用することを義務付けています(障害者雇用率制度)。
これを満たさない企業からは納付金を徴収しており、この納付金をもとに雇用義務数より多く障害者を雇用する企業に対して調整金を支払ったり、障害者を雇用するために必要な施設設備費等に助成したりしています(障害者雇用納付金制度)。
また、障害者本人に対しては、職業訓練や職業紹介、職場適応援助等の職業リハビリテーションを実施し、それぞれの障害特性に応じたきめ細かな支援がなされるよう配慮しています。
《「障害者」の範囲》
障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としています(短時間労働者は原則0.5人カウント)。
ただし、障害者雇用に関する助成金については、手帳を持たない統合失調症、そううつ病(そう病、うつ病を含む)、てんかんの方も対象となり、またハローワークや地域障害者職業センターなどによる支援においては、「心身の障害があるために長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な方」が対象となります。
まとめると,企業には障害者の雇用率が定められていますが,障害者雇用となるには基本的に「障害者手帳を持っていること」が必要だということです.
④企業が障害者雇用に関して課題だと思っていることとは
「厚生労働省職業安定局による平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」より
・障害者を雇用するイメージやノウハウが無い
・従業員が障害特性を理解できるかどうか
・会社内に適当な仕事があるか
・職場の安全面の配慮が適切に出来るか
こういったことが上位に挙がってきています
詳しくは下にリンクを貼っていますので参照してください
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000521376.pdf
⑤現状の支援体制とは
障害者就業・生活支援センター,ハローワーク,就労移行支援事業所,医療機関,地域障害者職業センター,高齢障害者業務課,特別支援学校,障害者職業能力開発校など様々な支援機関が存在しています.
それぞれが企業及びその担当者と連携しながら支援をすすめています.
⑥ここから見えてくる課題
手帳を持っておらず障害者雇用枠ではない,グレーゾーン,発達の凹凸があり特性上仕事が上手くいかないなど,支援の狭間にいる方々にリーチしにくいという現状があります.
そして,企業内で困っているが,実態調査からもあるようにノウハウや知識が無い
「企業としてはヘルプをどこに出したらいいかわからない」,「担当者がどうしたらいいかわからず悩む」
ここに課題があるのではないでしょうか.
⑦今後必要と思われること
「配慮の仕方」
こういった言葉は雇用の現場では多くみられます.
しかし,今まで就労に関する支援もしましたが,配慮という言葉よりも,”最大限パフォーマンスが出来る方法を提案する”といった言葉の方が私は適切かと思っています.
手帳の有無に関わらず,発達特性等の影響で何か業務上上手くいかないことがある場合,作業内容を分析して当事者が最大限のパフォーマンスを出すにはどうしたらよいかといったことを,困った時に手続きが少なく,気軽に相談出来て,迅速に提案する事業が必要ではないかと考えています
今後umeno.studyでは学習教室以外にも,上記のような支援を様々な企業に対し行えるよう事業を準備しております.
教育フェーズと社会人フェーズ両方に働きかけることが,発達障がいを取り巻く課題を良い方向に向かわせると考えているからです.
まとめ
いかがでしたでしょうか.今は療育の現場であり,就労支援をメインで行えておりません.そのため,情報として不十分なことも多々あったと思います.なので,今回の記事に関連することを日々体験されている方がいれば,今後の事業内容の参考にもさせて頂きたいので,ご意見賜れれば幸いです.
本日も最後まで読んでいただき,ありがとうございました.