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魔法の粉・クリープ

日曜日の夕方、大王様とスーパーでお買い物。

私が子供の頃の珈琲の話をしながら、クリープのことを思い出し、

「あー、クリープ舐めたい」

と言ったら、大王様はすかさず

「子供か?君は?」

そう言って、私のあまりにも幼稚な発言に呆れていた。

「昔おじいちゃんがコーヒーにクリープを入れてたんよ。そしてその後クリープをすくって、舐めるのが好きやったんよ」

「昔からバカなことしてたのね」

大人な大王様は、私の子供の頃のエピソードを聴きながら苦笑いをして、完全に呆れている。

「でも、食べたことあるでしょ?」

そう私が食い下がって聞いてみると、大王様は

「あれは美味しい」と言う。

「ほら、知ってますやん、クリープ!」

そう言って喜んだ私に、大王様は

「あなたはねぇ、基本、コーヒーはブラックばかり飲んでるし、おうちには不要でしょ?」

と至って現実的な話をピシャリとして私の幼過ぎる喜びをシャットアウトする。

ただ、言いたいのだ。

私に言わせると、クリープ。
甘くて濃くて旨いのだ。

私がここまでクリープクリープと言っているが、きっと「クリープ」を知らない人も多くなってきたので、クリープについて説明しよう。

クリープを知らない人に説明をすると、クリープはCreamy Powder(クリーミーパウダー)の略で、粉クリームだ。

スーパーマーケットのコーヒー売り場で、黄色い色の商品を見つけたら、それはきっとクリープだ。リンクを貼ったが、こんなやつ。

使い方としては、コーヒーにクリープを混ぜて、「ミルク入りコーヒー」にして飲むのが一番正しい、クリープの楽しみ方である。

そしてホットコーヒーに入れて混ぜると、コーヒーが醒めにくいのも利点だったりする。

しかも牛乳の成分を原材料にしていて、植物油脂が入っていないので安心して使えるのだ。

他社製品も色々あるが、植物油脂を使っていない粉クリームはクリープだけ。

粉クリームの「安全、安心」を選ぶなら、クリープ一択。

つまんで舐めて安全なのも、私から言わせるとクリープ一択である。

正直クリープを知らないと、きっと人生損をするので、もし一度見かけたらクリープを選んで欲しい。

そして、コーヒーと一緒に混ぜて飲んだ後、最後につまんで舐めて欲しい。

クリープと言う「禁断の粉」にはまる人ははまる筈である。

そしてクリープの話で盛り上がり、いざクリープを買おうとしたのだが、そのスーパーは何故かクリープの詰め替え用しかなく、本体が置いていないことが判明。

思わずスーパーの「お客様ご要望箱」に
「クリープの本体が欲しい」
と熱望して投書する私。

きっと数奇な客だと思われるかも知れないが、無性にクリープが欲しくなったのは事実なのだ。

きっと近所のスーパーには、一週間以内にクリープが届くであろう。
そして一週間後には、私はクリープをつまみ食いして、満足しているだろう。

そんな事を考えながら、帰り道にふと出てきた言葉がこれだった。

「あー、練乳舐めたい」

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