薄皮が良い風潮はやめにして欲しい
この間、京都のとある神社の周辺にある有名なお饅頭を買ったのです。
今日はお饅頭を楽しみにしていて、実際に食べる日でした。
「少しトースターで焼いた方が良い」と書いてあったので実際にトースターで焼いてみました。
すると、お皿に乗せるとお皿に餅が引っ付くのです。
お饅頭は餅の部分が薄皮で、あんこが透き通るような状態。
まあ、トースターで焼いて、餅がくっつくのはよくあることです。
ところが、お皿から取ろうとすると、薄皮が破れて餡まで出てきました。
これではお餅としての価値を見いだせなくなってしまいました。
最近はクリームパンでも鯛焼きでも、薄皮のものがもてはやされたりしています。
ところが、この薄皮と言うのものに私は風情を感じないのです。
いわば、薄皮嫌い。
例えばクリームパン。
クリームパンをかじった瞬間にクリームが飛び出して、ポロリと落ちてしまう。
これは私から言わせると、クリームパンではありません。
ただのクリームを食べているようなものです。
そして、鯛焼き。
鯛焼きをかじった瞬間に、あんこの甘い味がして、あんこを食べ続けている感覚になる。
これは私から言わせると、鯛焼きではありません。
薄皮鯛焼きは、暖かいあんこなのです。
このように、何でもやり過ぎはよろしくないのです。
昔懐かしの老舗のパン屋さんのクリームパンだと、クリームが少なくてパンが多い。そんなパンも未だにあったりするのですが、何でもバランス感覚と言うのは大切なのです。
中身は多すぎてもいけないし、少なくてもいけない。
絶妙なバランスで構成されているからこそ、食感も生きて、コラボレーションした価値がある筈なのです。
薄皮と言うものは厚みのない皮、いわば薄い皮。
「中身が隠れてこそ美」と言う部分もあるのですが、薄皮はそれを省略しているようなものに思えてしまうのです。
やっぱり薄皮は嫌いだ。
そう感じながら薄皮まんじゅうを平らげつつ、食べた後の皿洗いで餅をこすり取るのも時間が掛かって困ったなと思いつつ、改めてバランス感覚と言うものを大切に持たないといけない。
そのように自分に言い聞かせる時間となりました。