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忘れられない初恋〜想像しているような関係じゃないよ〜
映画館のともみちゃんとお別れをし、
初恋のともみちゃんと向き合う覚悟ができた。
それから会うことができたのは、今年の5月。
初めて家に行った日以来、半年ぶりでこの日もともみちゃんの家で会うことになった。
この日も前回みたくマックでドライブスルーして、家で食べながらテレビを観て近況を語り合う。
やっぱり地元の話にもなって当時を懐かしむ。
切り出すなら今のなのはわかりきっている。
でも言えずに時間が過ぎていく。
結局、この日も言えなかった。
今日こそは20年間胸にしまっていた気持ちを伝えるつもりだったのに。
映画のともみちゃんと別れ覚悟だってできていたはずなのに。
原因はもちろん僕にあった。
芸人という夢を諦めてからの僕は、好きな人と結婚して一緒に笑い合うのが1番の人生と思っていた。
好きなことをして、やりたいことをして生きるが1番ではなくなったとはいえ、仕事はしなくてはいけない。
好きな人と不自由なく暮らせるお金をもらえる仕事をして生きていければいいと思っていたけど、実際はそんなことなかった。
好きな人に好きでいてもらうためには、好きだったり、やりがいのある仕事をしないと僕はいけない性格ってことに気づかされた。
それに故に、芸人を辞めてからもこれで生きていくというものを見つけ出せずにいた。
結局のところ、僕が告白できていなかったのは、まだ何者にもなれていない僕の自信なさからだった。
ともみちゃんは次の予定があり、家まで送ってもらうのが申し訳なく、近くの本屋まで送ってもらい、そこに長谷を呼んだ。
ともみちゃんがいることを伝えていなかったのもあり、長谷が僕たちに少し驚いていると、
「想像しているような関係じゃないよ」
と、ともみちゃんが言う。
その通りでしかないんだけど、この言葉が今でも胸にチクリと残る。
それからの僕は、自分の人生のために、ともみちゃんと幸せになるためにもがき続けた。
その甲斐あって、これで生きていきたいという道のきっかけを掴めた。
お金はまだまだだから、すぐに結婚なんてわけにはいかないけれど、自分次第いずれはどうにかなる未来はある。
だからもう次会う時は、絶対に告白する。
2度目の家からもう半年が過ぎて、1度も会えてないし、会える約束もできていないけど。
僕の状況は整った。
言うなら今しかない。
次、会う時、絶対に気持ちを伝えます。
想像しているような関係になるんだ。