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20代の修羅場が、スーパーサイヤ人を生む

#コンヒラ #貿易 #クレーム #稲盛和夫 #文化人 #野蛮人 #組織化

今朝の輪番朝礼スピーチは貿易のFリーダーによる、初めて貿易営業担当になった15年前(当時26歳)に、自分の置かれた状態と対策の体験談でした。
Fリーダーの話は生々しく、今となっては当社の事業の柱に育っている貿易事業(しかも円安下でも過去最高益更新中)が、実は15年前は、かなり悲惨な状態であったこと。そしてそれをFリーダーが一人でここまで育ててきたことを知っていただける良い機会でした。
この話は「中国貿易復活時期」「ベトナム開拓時期」「陸上開拓時期」と3回に分けて話すそうなので、楽しみです。

朝礼スクショ(過去最高益更新中)

さて、それに対して当時の私(山本)から見たFリーダーの取り組みと、必要なコンピテンシーについてコメントしました。
以下表現が社内向けになっているためご承知おきください。


まず、Fリーダーは入社当時、一切貿易をやった経験もなく、英語も中国語も特に得意ではありません
その状態から、目の前に与えられた案件、条件と目標を実現するために、無いないずくしの状態で「自分で考え、自分で対策を決め、自分で実行しつづけた」ことが特徴です。おそらく当時の貿易チームではほとんどの方はすぐ辞めてしまうビジネス条件と環境でした。
社内にも相談できる部署はなく、中国の協力会社も全く当てにならない。当時の上司と顧客訪問したら、上司も「初めてこのお客さんに会った」という始末。なのに注文はとらないといけない。クレームは解決しないといけない。こんな状態がFリーダーの貿易担当の始まりでした。

当時、私が一番驚いたことがあります。
それまで、どの社員が担当しても、かならずクレームは私に電話がかかってきていたのですが、Fリーダーが入って6か月ぐらいすると、だれもお客様が私にクレームの電話をしなくなったことです。これは初めてのことでしたし、今も続いています。
これはお客様が「山本に言うより、Fさんにクレーム言った方が改善に向けて進めてくれる安心感と信頼」が生まれた証拠でした。つまり貿易を当時すでに数年やっていた私より、担当して6か月のFリーダーがお客様から「選ばれた」のです。この時点で私は完全にFリーダーに負けていました。

Fリーダーが朝礼で話していたように、当社は創業者から始まって、各自かなり自由に好き勝手に仕事をする会社でしたし、お互いに干渉もしない文化でした。それは「アイデアマンで色々やってみたいタイプ」には良いのですが、「組織だってチームプレーをしたいタイプ」からすると苦痛だし、生産性も悪くなるというデメリットもありました。
そういう意味では、Fリーダーは前者のタイプでもあったのだと思います。

ところが人数も増え、組織だって動かないといけなくなりはじめると、色々となかった「手続き」が必要になり始めました。みなさんも「会議」「集計」「ホウレンソウ」など色々と経験していますが、これは徐々に今の姿に変わってきたのです。その変化の過程で、「今まで無かったのに、面倒だ」と反発され別れてしまった仲間も当時多かったと思います。
では一匹オオカミ集団だったコンヒラから、組織プレーのコンヒラに変わってきたとき、残っている社員はなぜ残ったのか?それは「組織の変化に合わせて、自分も変化したから」です。このようは方は「自分が中心で仕事を回す、一匹オオカミとしての能力」を持ちながら「組織プレーで仕事を回す能力」もつけてきたため厚みができ、どちらのタイプにも自分を使い分けることができます。(はたから見ると、二重人格に見えることがある)

ところが会社が大きくなってから入社した方は、「完備された環境」を期待しているので、「指示待ちになる」または「やってもらう」ことを期待して待ちの姿勢になるのが特徴です。
どちらが良いというより、どちらのタイプも組織には必要なのですが、やはり伸びる会社は「自分で考えて、自分で動きたい野蛮人タイプ」と「組織だって丁寧に動きたい文化人タイプ」がうまく協力しながら活動しているものです。

ただ経験上、優秀だといわれるマネージャーは成長の過程が二通りあるといわれています。
野蛮人は、当初俺が俺がで走りまくり、途中から周囲の協力が得られなくなると反省して協調性が生まれ、文化人気質も手に入れて強くなります。
文化人の人は、多くの挑戦的な仕事を通して失敗と修羅場を乗り越えると、徐々に野蛮人気質も手に入れて強くなります。
つまり、野蛮人であろうと、文化人であろうと、結局「自分が苦手な領域にリスクを取って、自分でチャレンジしてやりきる体験」を通してしか、良い意味の二重人格にはなれない(野蛮人と文化人を併せ持ったタイプ)になれないと考えているし、世の多くの成功者がいっています。なので、できるだけ20代に修羅場は自分で潜り抜けた方がよいです。
ちなみに、私が初めて「野蛮人と、文化人を併せ持つ必要がある」と教えていただいたのは、京セラの稲盛和夫氏の書籍でした。(すみません書籍名は忘れました)

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