【感想】STARTLINE
STARTLINEとは、日本財団さんが展開している、期間限定のオンライン動画プログラムです。全15セッションあるようなのですが、今回、ご縁をいただき、そのうちの1コマを視聴しました。今回の稿は、そのアウトプット(御裾分け)になります。「初見」での感想になりますので、咀嚼できていない部分や誤解、曲解の部分もあると思いますが、忘備録ということで、御理解ください。
さて、私が選択したセッションが『「卒業」からの、卒業 いま、学び続ける生き方を考える』というもので、出演者が石川善樹さん、清水悠太郎さん、山口真由さんの三人でした。非常に真面目な話でしたので、お腹を抱えて笑うような話ではないのですが、それぞれの立場から刺激的なお話を聞くことができましたので、自分が「学び」を深めたと勘違いしつつ、心に響いたお話を振り返ります。
1 清水悠太郎さん 「学びとはワクワク」
凄い本質的な言葉ですね。本当に20歳ですか?達観し過ぎですよ。
普通は勉強が苦痛で、苦痛で逃げ出したり、隠れたり、捻くれたりしてから気づきそうなことを、サラッとお話されていました。
小さい子どもは、常にワクワクと一緒に学びを楽しんでいるように見えます。見るもの、聞くもの、触るもの、五感を通じて学びを深め、知識と経験を積み重ね、生きる力を育てているように見えます。なのに、何故か人生の途中で「学び」が苦痛になることが多いような気がします。
何となく、試験勉強・受験というものを通じて、他人と比較されたり、減点主義による成果を露わにされることで、苦痛を感じるようになるのかも知れないと考えています。
そして、そのような環境を卒業して、あらためて大人として学びの面白さ「ワクワク」に気づく人が、「学び直し」や「生涯学習」の世界に足を踏み入れるような印象を持っていました。けど、それは子どもの頃から誰もが持っている大切な気持ちなのだろうと思います。
その大切な気持ちを持ち続け、日常の風景や生活からも「ワクワク」と「学び」を積み重ねる清水さんの、将来に向けた活躍をお祈りしたいと思います。
2 山口真由さん 「生きるため」
大学の特任教授という肩書で参加されていましたが、東大卒で官僚経験、弁護士資格もあり「学校教育のエリート」という印象を抱きました。で、試験や資格などの「生活するための学び」と「そうではない学び」(すいません、メモを取りませんでした)の二元論的に「学び」を捉えていらっしゃるのが印象的でした。
言い方を変えれば「知識の蓄積」としての学びと「思考を深める」ための学びという感じだったかもしれません。山口さんにとっての学びは一義的には「生活のための手段」として必要なものであり、それは「ワクワク」も含みつつ、修行のような厳しいものだったのかも知れません。そして、その修行を極めつつ、その先にあるものを得ようとしているように見えました。
私なりの理解で恐縮ですが、「仕事」を「稼ぎ」と「務め」という二元論で考えることがあります。「生活の糧を得るための手段」であり「世の中の役に立つ公共」でもあると。何となくですが、そのことに共感していただけたような嬉しさがありました。
3 石川善樹さん「とは」
セッションリーダーとして、進行していただいた石川さん、三者三様の中で、綺麗にセッションをまとめ上げた手腕に、感服させられました。また、山口さんに「異論」を唱えられて苦笑いする姿が繰り返されたのが、印象的でした。かつ、山口さんを否定しない懐の深さ。
さて、石川さんは「とは」をまず考えるということで、「そもそも論」を考えてしまい、思考が止まりがちということでは、同じ東大卒とは言え「学校教育のエリート」山口さんと異なる軸にいらっしゃる感じで、先生泣かせの生徒だったことが想像されます。アニメ一休みさんの「どちて坊や」みたいな感じです。
「限られた時間の中で、将来がわからない中で、学ばなきゃならない、行動しなければならない」ということについて真剣に語る姿、また、さらっとおっしゃっていた「僕はまだ何者でもない」という言葉に、一つ一つの事を大事にしながら、学び続けようとする謙虚な姿勢を感じ敬服しました。
4 まとまらない話
セッションの中で「学びとは自分が納得できるかどうか」というお話が出てきました。それぞれ、アプローチは異なるものの、三人に共通するのは「主体的に学ぶ」という軸のように感じました。そして、その行動を支えるのは「納得」ということなのかも知れません。
「損得」ではなく「納得」、価値観が大きく揺らぐような時代のうねりの中では、「納得」の積み重ねをすることが、将来的な「尊」「徳」に繋がり、新しい時代を支える力になるのかも知れません。
され、我田引水で恐縮ですが、スタートラインというタイトルで、私は著作の主人公の台詞を思い浮かべました
「だいじなのは、これからどうしていくかです」
この台詞も含め、私の創作物の主人公に共通するのは、困難な状況において「次の行動」に主眼を置くことが多いことです。
そして、その「行動」や「種と仕掛け」を支えるのは、それまでの学びの成果という展開になります。
将来どうなるかは誰にもわからない、けれど、それを創り上げるのは今を生きる私達の務めなのは間違いありません。
卒業ということは、また新たな、スタートラインなのでしょう。
未来に向けて、気づき、学び、深め、活かす。
自分も今、未来へのスタートラインに立つ。昨日までの自分を越えていこう。