【回答】KEROさんに伝えたい話

 基本的にクリエイターとしては「作品」で想いを伝えるべきと考えているのですが、言い訳がましいことを書かせてください。いや、noteの投稿も「作品」と捉えるならば、自分の作品について語るのも有かも知れません。

 ということで、先日、KEROさんから感想文と叱咤・激励・お問い合わせをいただいておりましたことについて語ります。

「黒田製作所物語は、読者のスコープを何処に置くかがはっきりとしない。誰向けなのか」

 KEROさんの元記事がこちらになります。

 お金と時間を費やし、拙著をお読みいただきましたこと、また「解説と考察」としてまとめていただきましたこと、何よりも普段遊んでいただいておりますことに、あらためて御礼と感謝を申し上げます。

 さて、回答になるのか恐縮ですが、「黒田製作所物語」の執筆の切っ掛けは、職場の後輩になりますので、最初に焦点を当てたのはその後輩になります。その後輩が「恋する旅人」を読んだ感想が
「最後に郡山が出てくるところ(だけ)が、良かったです」
というものでしたので、
「じゃぁ、今度は徹底的に郡山に拘った話を書きますよ」
と売られてもいない喧嘩を購入するような形で、原案を考える中、過去の記事についても考えました。

このような記事にある「公務員のタマゴに伝えたい」という想いを根として、これらの考えを「論」とか「説」ではなく「物語」として、エンターティメントに昇華して「伝えたい」と考え、挑戦したのが「黒田製作所物語」ということになります。力不足故に、消化しきれない部分が残ってしまいましたが、そういう意味では、スコープは後輩も含めた若手公務員です。
 
 未熟な駄文屋ではありますが、最後の一節はお気に入りです。

『この物語はフィクションである。しかし、高い志を持ち、日本を支えた中小企業の方々が存在し続けることは、紛れも無い真実である。偉大な日本の中小企業に心からのエールを贈る。』

 私の印象ですが、公務員の方には「民を蔑む」とまでは言いませんが、「民は公にあらず」と考えている方が多い印象です。また、私がお話をした経営者の方々には「役所の人は大企業を大事にするけど、中小には価値がないと考えている」と仰る方が複数いらっしゃいました。そのような方々に対して、
「僕は、そう、思わない。民も公なりです。まちづくりの主役は民間の方々です。中小企業は地域の宝物です。中小企業の皆さんは凄いです」
という、私なりの考えを形にしたのが「黒田製作所物語」ということになります。「公務員のタマゴに伝えたい話」の外伝であり中小企業の方々へのエールということになります。

 なお、「恋する旅人」は、そういう根がなく、公務員とは全く関係がない立ち位置にあります。これは「ノリと勢い」だけで書き上げた純然たるエンターティメントになります。成功したかどうかは別としての意欲作です。

 そして、私の全ての著作に共通しているのは、noteという場があることで創作することができたということになります。
 皆さんとの交流により、思いもかけない言葉が、展開が生まれています。毎回、思うのですが「自分で書いた気がしない作品」です。

 長くなりましたので、筆を置こうかと思いましたが、宿題が2つありましたので、もう1点についても簡単にお応えします。

『本としての厚みに欠けるのだ。私の感覚からすると、この本をしっかりとした厚みのあるものにするには、この3倍は描いて書かねばなるまい』

 端的に言えば、私の力不足ということになります。もっと丁寧な描写をすべき部分が足りず、特に三代目社長編が駆け足となりました。
 お詫びいたします。初期の構想では、初代と三代目の二部構成を想定していました。震災からの復興を丁寧に書く構想でした。しかし
・書籍化する経費の関係から、4万文字以内に抑えたい
 (製作コスト増と販売価格増の懸念)
・初代の活躍、生き方に焦点を合わせたくなった
 (二部構成にすると焦点がボヤケ、文字数も増えてしまう)
・三代目編は、実在の人物などに影響を与える懸念
 (実在の人物(工員や取引先)の方が悪者扱いされてはマズイ)
 などの力学が働き、かなり巻いた展開にしていまいました。

 ということで、黒田製作所物語の舞台裏の話でした。私の著作については、次のリンクからお願いします。

(本文を入力する時間より、過去記事を探すのが大変でした)

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福島太郎
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