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創作大賞感想 #私の前世探求
オールカテゴリ部門に応募されている「研究太郎さん」のこちらの作品です。ネタバレはありません。
物書きを志す方ならほとんどの方がこの言葉を御承知かと思います。
『事実は小説より奇なり』
本作品を拝読している間、この言葉がずー-と背中に覆いかぶさってきました。タイトルに「前世探求記」とありますとおり、スピリチュアルな内容を多く含んでいます。なので「アタシ、そういうの全く信じてないから」という方の嗜好には合わないかもしれません。逆に大好物の方もいるかもしれません。
しかし前者の方にお伝えしたいことがあります。
「この作品はノンフィクションというか、日記を纏めたドキュメンタリーのお話です。信じるか信じないかは別として、一つの一つの事実を重ねた結果なのです」
少なくとも研究太郎さんはそのように語っています。この設定を信じるか信じないかは読者次第ですが、日記風に語られる日々はリアリティがあるというより「リアルそのもの」と私は受け止めました。
前世の話があり、異国の話があり、アカシックレコードや不思議な縁などがありますが、あくまでも事実を重ねた日記であり、フィクションでもファンタジーでもないといことになります。
そしてペンネームに「研究」とありますとおり、御自身の好きな世界をかなり深堀りして調査・研究している成果が作品の随所に感じられます。
「好きこそものの上手なれ」
という言葉を踏まえれば、これだけ「好き」が詰め込まれた作品ですから、上手にまとめられているのも納得ということになります。
研究が縁を呼び、縁が新しい運命の扉を開くようにして物語は展開していきます。剣や魔法が使える訳ではない「利き手に怪我を負った普通の男性」が、世界を救うためでも、魔王を倒すためでもなく、ただただ己の研究心を満たすためだけに繰り広げる冒険の世界。その先には何があるのか!
ちなみに私自身は「前世」とか「スピリチュアル」に、ほぼ興味がありません(そういう世界を否定するものではなく、そのような世界を楽しむ余裕がないのです。前世よりも現世現実で足掻いています。ただ中二前後は『月間ムー』を愛読していました)。
しかしながら、本作品については「ドキュメンタリー」として楽しみながら拝読させていただきました。
現実なのかフィクションなのか、研究太郎さんの前世はどのように存在していたのか。お確かめいただければと存じます。
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