#4 不安とメンタルヘルスー不安とはなんだ?
「不安」ってなに?この記事の内容
・普通とは誰でも体験する普通の感覚ということ
・不安と恐怖は「対象が明確かそうでないか」の違い
・不安の良いところは「集中力が高まる」こと
・極度の不安は「パニック発作」「強迫行動」に
・不安の症状について
【精神】【身体】の特徴について
不安とは
・全ての人がたびたび体験する普通の感覚です。不安自体を感じることは何の異常もありません。
・とくに、自身の安全が脅かされると感じられる「アラーム」の役割があるので、とても大切な仕組みになります。
不安の感覚
不安がどんなものか説明することは、大変難しいですが、漠然とした感覚とか、【憂慮】と呼ばれるものです。また、身体の感覚として頭痛・発汗・動悸・胸部圧迫感・腹部の不快感を感じることもあります。
不安と恐怖の違いって?
対象が明確なものを「恐怖」という。
対象が不明瞭なものを「不安」という。
この二つの感覚に違いはありません。不安と恐怖は同じものだと考えてもらって大丈夫です。
ただ、対象が明確なものと明確でないものの違いは心理的負担としては明確でない方が大きいでしょう。
不安の良いところ
強度の低い不安感情というのは、実は有益です。なぜかというと、集中力や注意力が高まるからです。適度な不安は業務の効率や収集力を上げます。宿題も、期限にまで追い込まれると集中してできるようになりますよね。
これが普段発揮できたらいいのに、と私も思いますがそれはできないことなのです。だって、追い込まれる必要があるからです。
このように、不安に感じることによって、その原因となっている問題を集中して解決できるわけです。
不安の悪いところ
強度が高まるにつれて
↓
【強い不安】状況の判断力が歪む
広い視野から物事を見ることができなくなる
↓
【極度の不安】集中ができなくなる 強烈な不快感
↓
パニック発作・強迫症状へ
この流れは、さらに加速します。
不安を減らそうと努力しようとすればするほど、不安が高くなるのです。
悲しい現実です。
不安解消に取り組むことに忙しくなってしまい、自分の人生のゴールを目指すことができなくなってしまうのです。
不安神経症はそのような精神疾患です。
強迫症状
不安をなくそうと努力する行動が強迫行動になることがあります。強迫行動とは、自分の意志に関係なく、ある考えや衝動にとらわれたり、ある行動を繰り返す症状です。
思考の例:鍵を閉め忘れたかもしれない
衝動の例:車道に飛び出してしまいそう
行動の例:手を洗いつづける
強迫神経症
社会生活を脅かすほど悪化すると、強迫神経症と呼ばれます。状況の把握に困っている行動(「確認行動」)も含まれます。
この儀式を行わなければ不安から逃れられないと思っています。
一方でこの行動は意味がないと分かっている人が多いのも事実です。不安からの逃れられにくさが分かると思います。
不安による精神症状(中野,1997)
心配している イライラしている
緊張している くよくよしている
気が休まらない 気が転倒している
何か気がかりだ 自信がない
落ち着かない 興奮して身体が震える
焦りを感じる ためらうようになった
不安による身体症状(中野,1997)
下痢をよくする 鼻水がよく出る
筋肉が緊張している 高血圧だといわれた
動悸がする じっとしていられない
失神したことがある 脈が速い
足にぴりぴり感がある
震えが止まらないことがある
胃の具合が悪い
不安によって、こんなにさまざまな症状が現れることを知っておいてください。これだけのことが起きても、あなたは何の異常もないのです。
「不安」ってなに? まとめ
・普通とは誰でも体験する普通の感覚ということ
・不安と恐怖は「対象が明確かそうでないか」の違い
・不安の良いところは「集中力が高まる」こと
・極度の不安は「パニック発作」「強迫行動」に
・不安の症状について
【精神】【身体】
不安を知ることによって、不安と共存することができるようになります。不安はなくすのもではありません。不安と適切な距離を取りながら、不安とともに未来の目標に向かって進んでいくのが人生なのです。
いずれ不安はおさまる台風のようなものです。
不安の嵐がやってきても、しばらく身を任せてください。
パニック発作で死ぬ人はいません。
台風が通り過ぎるとまた普段のあなたがそこにいます。
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