TaroKatsuki

金融機関で商品開発やトレーダーなど経て、現在はプライベートバンクで資産運用ストラテジスト。 本noteでは、金融目線で趣味の野球をはじめ、様々なことについて触れます。

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最近の記事

大谷翔平の契約と信用リスク~ドジャースは20年後も存続するのか?

2023年12月、大谷翔平が10年7億ドルの契約を結んだことが話題となった。 ちょうど当時の為替レートで円換算すると1000億円の大台を超える金額に設定してきたのは、これもドジャースのマーケティング戦略の一環じゃないかと思わされる。 この契約については、後払いが大半ということで実質的な価値は額面で見るよりも低いと考えるのが妥当だ。足下は米国金利が非常に高く、必要な原資は少なくて済むという金融環境がこの契約を大きく後押ししたのは間違いない。 この話については以下の前稿に詳しい

    • 実はNPBでも導入済みだったピッチクロック

      ピッチクロックの効果2023年のメジャーリーグの最大の話題は、何と言ってもピッチクロックだろう。 その効果は劇的で、2022年に開幕当初の平均試合時間3時間8分だったところが、今年は2時間38分まで縮小しており、30分の短縮となった。中には2時間未満のゲームも出るほどだ。 ピッチクロックの導入は、試合時間の短縮化を目指すものであり、マイナーリーグでの度重なる実験で結果は想定通りであるものの、MLBという大舞台で行うことでその効果のほどをより白日に下に晒すこととなった。 日本

      • 高騰するMLBの年俸は適正なのか。NPBとの比較。

        今年も多くの日本人選手がNPBからMLBへの移籍を決めた。 普段、あまりMLBに興味の無い人の多くであろうが驚くのがその年俸水準だ。 例えば、福岡ソフトバンク・ホークスからニューヨーク・メッツに移籍した千賀の年俸は、6億円から約20億円となった。 オリックス・バファローズからボストン・レッドソックスに移籍した吉田正尚は、4億円から約21億円へと上昇した。 日本人選手が高く評価されるのは誇らしい一方で、本当にそのような年俸でリーグ経営が成り立つのかどうか、心配になる人もいる

        • MLBの長期契約が増えている本当の理由(2024年追記あり)

          今シーズンオフ、MLBでは大型の長期契約が増えていることが話題だ。 ツインズからFAとなったカルロス・コレアはジャイアンツと13年3.5億ドルの契約を結んだ。(※その後、メディカル・チェックによってこの契約は破棄。) 他にも、トレイ・ターナー、ザンダー・ボガーツはそれぞれ11年契約を。 アーロン・ジャッジは9年契約。ブランドン・ニモは8年契約を結ぶなど、例年以上に長期契約が増えている。 以下は、年毎のトップFA選手の平均契約年数を表したグラフだ。2022年になって明らか

          2023 WBC 米国代表は本当に過去最強なのか。検証してみた。

          心躍るようなニュースが飛び込んできた。 MLBを代表する左腕、クレイトン・カーショウがWBC米国代表が公式にアナウンスされた。 近年はやや怪我も増えているが、それでも昨年も12勝8敗 防御率2.28の好成績。疑いも無くMLBでもトップクラスの選手だ。 一これで米国代表の陣容はほぼほぼ固まった。 カーショウのみならず、トラウト、ゴールドシュミット、アレナドと揃う今 回のメンツは史上最強であり、米国がやっと本気を出してきた、との声を各所(もしかしたら単に盛り上げたいマスコミだけ

          2023 WBC 米国代表は本当に過去最強なのか。検証してみた。

          プロ野球選手が年俸を公開した方が良い経済学的理由

          先日、こんな記事を見かけた。 一部のプロ野球選手が、年俸の非公開を訴えたとのことだ。 だが、年俸の非公開化は、むしろ、選手を交渉の席で不利な立場に追い込みかねない。 これは経済学的に言うと「合成の誤謬(ごびゅう)」という問題が生じている状態だと考えられる。 この問題点を解決するためにも、むしろ”推定"年俸は辞めて、年俸をきちんと公開する方法に進めていくべきだ。 年収を公開されて嬉しい人はいない 一野球ファンとして、プロ野球選手の年俸の上下はオフの最大の楽しみの一つだ。

          プロ野球選手が年俸を公開した方が良い経済学的理由