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【詩】明滅

信号機
どんな人や車にも
動じず
クールに
決められた明滅

人の顔色うかがうことに
僕はもう疲れたのだけれど

僕はひとりでいるときが
いちばんとびきり
僕らしい
深夜の信号機
そうだろ?

たまたま僕ひとりの
交差点
僕だけのための明滅?
そんな都合のいい幻想
いだかず
無視してやった!

僕はそうやって
死んだのだけれど
他人のしらけた顔に
苦しめられ続けるよりは
断然マシだね

だってあの世ってさ
つくも消えるもないんだぜ

*月刊詩誌「ココア共和国」2022年8月号 傑作集Ⅲ*

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