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脳内スケッチ2023.11.9 夜

白い紙が現れた
眼前に、突然。
しかしそれは紙ではないかもしれない
あくまで初見、紙に見えただけだ
手を伸ばして確かめてみる
指先が紙に触れる
やはり紙だ
たぶん。
視覚と触覚で確かめただけだから
絶対とは言えないけれど
まあ、
これは紙だと感じる
だから紙だ

それの意味するところは
行く手を塞ぐ壁のようでもあり
いったん休めという合図のようでもあり
ただの無意味な紙のようでもある

ただの無意味な紙と思うことにする

目を凝らしてみると
小さな一筋の折り目が見える
その部分以外はまっさらな新品のようだ
その小さな折り目だけがその紙を新品でなくしている
もったいないことだ
実に。

もう一度手を伸ばす
指先がちょうど折り目にはまる
口元がほころんだ

ところで
わたしは誰だ?

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