会えたらうれしい『CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術/原田マハ』
面白くて楽しいに出会えた。アートはみんなのもの。
『CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術/原田マハ/720ハ』
格言みたいな目次にもグッとくる。
「一瞬が、一生だ。」とか「見る前に跳べ。」とか。
見る人がいないアートはアートとして成立しないし。
私たちが見に行かないとアートはアートじゃなくなるし。
見てもらえないアートなんて存在しないのと同じだものね。
著者が会いに行く作品たちは大好きな親友だったり、尊敬する師匠のよう。日本国内の美術館の旅。写真では伝わりにくい絵画の魅力、アーティストの人柄や人生、時代や作品に込めた思いを深読みする。作品への思いに引き込まれて一気に読んでしまった。むずかしさのない名画鑑賞。するする入ってくる解説は物語。著者のアートへの思いはやさしい、語り口はビシッと匠の技。著者は著書多数、アーティストなのだ。
読んで楽しかった、ありがとうございます。
ミレー、クールベ、ドービニー、モネ、セザンヌ、ルソー、クリムト、シーレ、ダリ、ウォーホル、マグリット、萬鉄太郎、小磯良平、白髪一雄、東山魁夷、クラール、エルリッヒ、草間彌生、美術の教科書でもお馴染みなアーティストがずらり。
先人たちの斬新は、時代を超越していく。
まわりのあーだのこーだのは気にせず突き進んでいく精神力のルソー。その作品を見た記憶がある。変な絵だなと。当時に見た人たちも同じ印象だったようだ。ルソーの人物像を知ると作品《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》を応援したくなった。
アーティストは全身全霊で闘っている。
著者の、本の締めくくりの言葉は、
鑑賞した気分の充実の時間だった。
アートで何かを感じる。会えるとうれしい。
いつか私も会いに行こうとするかもしれない。先人たちの作品に、
ではでは