奈良の風に吹かれてきたよ『語りだす奈良1300年のたからもの』読んだよ
◇図書館で目についた本は、奈良の旅のあとだった。
『語りだす奈良1300年のたからもの/西山厚/分類914.6ニシ3』
思い出にひたりながら6日ほどで読み終えた。
◇感想は本能のようなもの?
読みはじめから昔に見たテレビや漫画の世界が脳内を押し寄せる。
筆者は長年、奈良国立博物館でお仕事されていたという経歴。ご自身の趣味趣向や思い出話なども交え、歴史的な研究や専門性が感じられわかりやすい。震災や感染症など誰にとっても切ない出来事にもふれる。室町時代の絵巻には鬼の姿をした疫神が人を助ける姿が描かれているという。鬼(疫神)でさえ「絶対悪ではない」。物語りや歴史上の出来事も目線を変えてみるとちがう心模様が見えるようだ。
私の歴史や地理の記憶はうっすらとしていてつたない。でも古代が残したものから想像するストーリーは面白い。
美しいものは美しい。かわいいものはかわいい。それは本能のようなもの?信心深くもないのに何にでも手を合わせたりする。すり込まれたような感覚は日本で生まれ育ったからと思う。でもそれはそれで穏やかな世界感がありがたい。
◇奈良の旅(思い出はたからもの)
奈良といえば、シカと大仏。奈良公園を中心にただの観光客という行動をしていた。シカも人もお辞儀をしている奈良。日本っぽい。微笑ましい。楽しすぎる。
鹿せんべいに向かってくるシカ。あの感じは昔も今も同じだった(うん十年前の修学旅行でもシカに囲まれた)。
わぁーきたきた、あげるからあげるから、、、
後ろについてくる鹿の口が私の服をつかんでくる。
わぁーもぉやめてって感じが今もうれしい。
シカは神。シカ、シカ、シカ、かわいいがいっぱい。
シカの匂いも漂う、ふんふんふん。気にならない。
東大寺も大きい。大仏様も大きかった。
瓦に皆の健やかを願いながら寄進もした。
瓦に願いを書いていると後方より
「えーーー!?瓦が2000円もするの!?」ってどなたかの声がする。
筆が一瞬止まる。
会いたかった憧れの「阿修羅像」はイメージどおりだった。国宝 脱乾漆造 八部衆立像。その中のひとつ「五部浄」に見とれていた。写真より実物の方がぐっとくる、美しい。胸ぐらいからの上半身だけの像、ケース越しにブラックの背景に照明で浮き上がる。右左正面から何度も見る。どれもこれもじっくり見たくて興福寺国宝館内を4周か?5周した。
◇奈良の旅(工程は歩く道すがら)
1日目(2万5千歩くらい)
JR京都駅から近鉄「観光特急あをによし」に乗り換えて向かった奈良。
わずかな時間を贅沢につかうのもたまにはいい。
ホテルチェックイン~猿沢池~東大寺~二月堂~若草山~春日大社~(どこでもシカさんに会えた)~ホテル1泊目。
2日目(2万歩くらい)
ならまち散策~にぎわいの家~元興寺~奈良ホテル付近~荒池~浮見堂~奈良国立博物館(なら仏像館)~興福寺(国宝館)~ホテル2泊目。
ペライチの奈良公園の観光マップを頼りにわりと効率よく歩いたと思う。
シカさんがかわいいのでどうしても足が止まってしまう。
正倉院と鹿苑と万葉植物園も行きたかったなぁ、また来ればいいさ。
3日目(1万歩くらい)
ホテルチェックアウト~近鉄奈良駅~京都駅~バスで清水寺へ
そして奈良京都をあとにする。新幹線や特急を乗り継ぎ帰路となる。
◇奈良の旅(天候に恵まれた)
夏の手前ひとり旅。天候に恵まれた2泊3日(多少汗ばむ)。観光に不向きな梅雨時だったり平日のおかげか混雑にあわず、自分のペースで過ごせた。
今も思い出す。風、緑、川の流れ、二月堂~春日大社は爽やかだった。
シカの鳴く声、長いミーミー♪短いミーミー♪が脳内で響いてくる。
ぐるぐると考えているより行動する。
すっきりした、それがいい。
あぁ奈良に帰りたい。
ではまた。