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エロスとタナトス

こんにちは!魔タリカ779歳魂のR指定です。
お正月は家族モードで過ごした方も、のんびりモードだった方も、本格的に世間に復帰された頃ですよね。

私も久々の家族モードでした。
一番の楽しみは生後5か月になった娘の子(要は孫なんだけどw)です。
最近娘の子に会うときは必ず、英語のシンプルな呪文を復唱するんです。
そうすると彼女は私と一緒にそれを唱えるんですよ。あ〜〜って。
5ヶ月児がそんなことするなんて、今の今まで知りませんでした。
娘を育てている時には必死過ぎて、なんとか生きて行くだけで精一杯だったことも思い出します。今はおばぁの特権を行使させてもらってはいますが、娘よ、余裕のない親で申し訳なかった。

赤ん坊の曇りのない無垢な瞳は人の心をそのまま映し出す鏡のようで、実は世界の全てを理解しているんじゃないかと思うほどです。
人間は3歳までは天才説がありますよね。
3歳を過ぎるとどんどん社会化されて、本来の能力を忘れ、封印し、抑圧します。親の言うことをよく聞く「良い子」ほど、大人になるにつれこじらせ女子とか、こじらせ男子になっていく可能性は高いんじゃないかと思います。生育過程で身につけた「良い子」がブロックになってしまうんです。


人間で一番生命力に溢れているように見えるのは、やはり3歳くらいまでじゃないでしょうか。
まったく制御されない野生の欲望のままに自分の意思を通そうとする姿、自由奔放に走り回り、全てのものへの純粋な興味で輝く瞳。
生命力で溢れて艶かしく、これこそが人間本来のエロスの極致ではないかと感じたことがあります。

エロスとはなんでしょうか?現在は本来の意味からは程遠いところで使われている「エロス」とは、生命力、生への衝動のことです。
エロスという言葉はだいぶ汚れてしまって、その言葉を発しただけでも紳士淑女は震え上がって目を背けて「私は無関係です。」と知らぬ存ぜぬを装おうとします。いやいや、心の底から求めていますよね?


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エロスの元々のギリシャ語の意味は愛や欲望を意味しますが、単なる性的な欲望や快楽にとどまらず、高次の美、精神的な美や善、美そのものへと人間を導く力とされています。エロスは人間の魂を向上させる原動力であり、存在そのものを肯定し、創造していく力「生への衝動」なのです。

エロスの言葉の意味が性的なものだけに限定されてしまったことは、現代人の精神的な豊かさを枯渇させ、価値観にも影響を与えて、人々の心の世界が狭まる元凶になっているんじゃないでしょうか。
現代社会では人間関係が上っ面だけの薄いものになり、真に深い結びつきを求める力「エロス」は不在です。
短期的な目先の満足だけを追い求めるほどに、深い満足感や幸福感は得られなくなっています。

エロスを取り戻すことは、他者や世界との深い結びつき、物質的な欲望を超えた本質的な価値観の再発見へとつながると思うのですが、この価値観の転倒を戻すには、相当の時間と覚悟が必要です。

サンクチュアリではエロスの覚醒に相当の力を注ぎ込んでいて、この壁の高さと厚さに呆然とすることも多々ありますが、いつかドイツの壁のように壊れる日が来るのか、北朝鮮と韓国の38度線のように超え難いものであり続けるのか…..。なんて思うこともあります。

エロスへのタブー感もさることながら、タナトス「死」へのタブー感も半端じゃありません。タナトス「死の衝動」は破壊や自己消滅、静止への欲望と定義されています。生と死という対立する二つの異なるもののような二元論で語られることもあるようですが、東洋の哲学やタオイストはそれらを自然の循環の一部として捉えます。死や破壊は創造への前触れで、季節の移り変わりのように生命の移り変わりを捉えるのです。

エロスとタナトスは諸行無常の循環の中にあります。
全ては変化し続け、この宇宙には変わらないものなど一つもなく、すべては過ぎ去り、またやってきます。

エロスとタナトスはまた、陽と陰でもあります。
陽は軽く、明るい光であり、天を象徴します。
陰は重たく、暗い闇であり、地を象徴します。
昼がやってきてまた夜になり、美しい花は天に向かって咲き誇り、やがては朽ち果てて、次の生命への慈養として大地の中へと消えていきます。
片方の側面だけを生きようとすればこの循環が滞るのは自明の理です。

エロスとタナトス、陰と陽は互いに補完し合い、互いを必要として絶え間なく宇宙を動かし、生命を創り出す力です。
エロス(喜びと生命)とタナトス(悲しみや死)、陰と陽は離れることなく私たちの中に存在し、人間の生命も感情も、全ては調和して宇宙の一部となり循環していくことができれば「霊の長」としての進化が可能になるのかもしれません。
個人のエゴや欲望を超えて、単なる文明の進歩を超えて、精神的、霊的な覚醒の到達点へと向かう可能性が、ここにはあると信じています。

エロスが愛の創造力となり、タナトスが他者との境界線を溶かす力になるように願いを込めて、2025年も高くて厚い壁に挑んでいこうと思います。

Love♡

Tarika

2025 / 1月10日発行メルマガより


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