忘れること
アンドロイドは物忘れをしない。
自分や誰かが、何かを忘れたとき。
いつもこの言葉を思い出す。
有名なゲームのセリフで、いまも刺さって抜けない矢。
わたしは、どちらかと言うと、わりとしっかり者タイプだと思う。
だからこそ、たまにやってくる忘れものとか、何かを忘れてしまったとき、だいぶ落ち込んでしまうし、焦る。
一方、わたしが惹かれる人は、だいたい忘れっぽい人だ。
忘れやがって、と悪態をつくことはまずない。
人間味があっていいな、かわいいな、愛おしいな、と好感を覚える。
なんなら、そういう人のサポートに徹したいし、支えたいなとさえ思う傲慢さも持っているほど、わたしは忘れっぽい人にどうしようもなく惹かれてしまうのだ。
忘れることって、生きているものしかできない。
だから、それが生物と無生物の差な気がする。
忘れることは、生きていることの証。
そう思うと、忘れることに対して寛容になれる気がする。
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