芋原うさぎ

うさぎさんとマンガと歴史が好きです。 あといろんなオタク。

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最近の記事

忘れること

アンドロイドは物忘れをしない。 自分や誰かが、何かを忘れたとき。 いつもこの言葉を思い出す。 有名なゲームのセリフで、いまも刺さって抜けない矢。 わたしは、どちらかと言うと、わりとしっかり者タイプだと思う。 だからこそ、たまにやってくる忘れものとか、何かを忘れてしまったとき、だいぶ落ち込んでしまうし、焦る。 一方、わたしが惹かれる人は、だいたい忘れっぽい人だ。 忘れやがって、と悪態をつくことはまずない。 人間味があっていいな、かわいいな、愛おしいな、と好感を覚える。 なん

    • 無防備と性別

      こんなに無防備になることってあるんだ、と自分でも驚いた。 脱毛サロンに通っていて、もうしばらく経つ。 慣れすぎてしまったからなのか、はたまた寝不足だったからなのか。 裸という、まさしく無防備の状態であるにもかかわらず、何度か眠りかけた。というか、多分一瞬寝てた。 すごいな自分。あんだけ人のこと警戒しまくって、外でなんか眠れなかったのに。 よりにもよって、こんな状態で寝ることある? 美容室で寝てしまうとか、マッサージサロンで寝てしまうのとはわけが違う気がする。 もっともっ

      • 寒くなると

        寒くなると、人肌恋しくなるのか。 甘えたくなるのか。 最近、子どもたちがくっついてくることが非常に多い。 そのかなには、もともとくっつきたがりの子も多いけど、そんなでもなかった子がべったりしてくることにはちょっと驚く。 身体的な寒さから、人にひっついていると暖かくて、それを求めてしまうのはわかる。 でも、それ以上に多分、寒いと心理的に甘えたい気持ちが膨らんでしまうのかもしれない。 わたしもそうだし。 いつも以上に人にくっついていたくなるし、何かあったわけではないのに甘え

        • 世界ってこんなにも優しいんだ #2

          撮影はほんの10分程度で終わり、すぐに帰宅して内定先のバイトへと出かける。 そこでは、倒れたことは一切口にせず黙々と働いた。 だけど、あのときほどではないにしても、頭痛が再度わたしを苦しめ、それに加えてめまいが頻繁に起こり、吐き気をもよおし、立っているのもやっとな状態になってしまった。立ちくらみもひどく、視界が真っ暗になってしまう。 それでもすました顔をして退勤し、帰宅した途端にぶっ倒れる。 あー、これダメなやつかもしれない。 母が慌てて駆け寄る。 事情を説明すると、やはり脳

          飲み物の話

          水がすき。 この世でいちばんおいしい飲み物って水だと思う。 昔から、ずっとそこは変わらない。 ジュースにはあまり惹かれず、水ばかり飲む子どもだった。 ただ、最近寒くなってきて、だんだんと水すら飲まなくなってきていて、自分でもよくないなと思ってはいる。 でも忘れちゃうんだもん。 ごめんね、わたし。 学生時代も、周りの人たちは、ペットボトルのお茶とか、コンビニで買った紅茶、ジュースで喉を潤すなか、わたしはただひとり、家の水道水を入れた水筒を持ち歩く日々だった。学食はほとん

          世界ってこんなにも優しいんだ #1

          わたしが知っている世界は、こんなんじゃなかった。 なぜこんなにも、みんなわたしのことを認めてくれるのだろう。 優しくしてくれるのだろう。 責めないでいてくれるのだろう。 愛を向けてくれるのだろう。 誰かに優しくするのが好きなくせに、それが返ってくるのが怖くてたまらない。 幸せを感じるのが怖い。 眩しい。 苦しい。 感情なんて表に出すんじゃなかった。 こんな思いをするくらいなら、心を機微を感じ取るんじゃなかった。 だってわたしはなにも返せない。 だからもう、放っておいてほしい

          世界ってこんなにも優しいんだ #1

          大きな音が嫌いなわたしが好きな大きな声

          あなたは、人間の表面的な部分でどこに注目し、好きになりやすいですか? と聞かれたら、わたしは圧倒的に「声」だと思う。 耳心地の良い声だと、それだけで好感度が上がってしまう。 その人のことを好きになると、その声も自分のなかの好み、ストライクゾーンに変換される。 姿が見えなくても、声だけで十分だと思えるくらい、わたしにとって存在感が大きい。 逆をいえば、一度無理になってしまうと、その声が耳障りで、嫌いな音として認識されるようになり、それに似た音もダメになる。 声なんて空気

          大きな音が嫌いなわたしが好きな大きな声

          学問分野に縛られすぎていた

          わたしは、学校にはろくにいかず、大学で得たニッチな知識しかない超偏った偏屈文系人間だ。 そう思っていたし、今でも半分はそうだと思う。 でも、どうやらそうでもない部分もあるらしい。 最近、「分野」というものにこだわる余地などなく、さまざまなことを自ら勉強し直している。 すると気づいたのだ。 あ、わたし、別に歴史家ではないし、なんなら理系分野めっちゃ面白いやんけ、と。 そう。たかが4年間、地域の歴史を学んだだけ。それ以上でも以下でもない。 そこの部分の知識が異様にあるだけ。

          学問分野に縛られすぎていた

          写真の魅力について考えていたら、いつのまにか絵のことばかり考えていた

          いま、仕事で写真と向き合っている。 副業としてプロカメラマンもこなしている同僚がいて、その人を中心にこんな会話が出てきた。 「写真で泣く人って聞いたことないし、カメラマンの名前も広まらない。それに、『写真といえばこれ!』みたいなものがない」 た、たしかに……! 絵画とか、映像(特に映画)はそのすべてをクリアしている。 語りしろがあるようで、ないような。 そんな写真というものの不思議さに、一同首を傾けた。 そもそもカメラの歴史を紐解いていくと、絵画にたどり着く。 絵画を

          写真の魅力について考えていたら、いつのまにか絵のことばかり考えていた

          記念日コンボ

          今日、11月3日はわたしにとって記念日が重なっている日だ。 ここ最近、仕事以外でずーっとソワソワしていたし、なんならそれに関する夢もみた。 夢見る乙女状態。 今日という日をむかえ、おくりものが届いた。 日常的に使えるものを、ということだったけど、いやむりだよ。 使えないよ。 大切すぎて。 こういうふうに、気持ちが昂ったとき、なんて言ったらいいのかわからない。 昨日は昂りのあまり、大泣きしたけど、今日は泣く気分でもなかった。 昨日とはまたちがう、あたたかくてしあわせな気持

          記念日コンボ

          涙の話

          最近涙腺が緩くなってきた。 年齢を重ねると涙脆くなるのって、本当なんだなって思う。 小さなころは、わりと泣き虫な方だったし、なんなら「泣け」と言われたら5秒以内に泣けていた。 その早さがクラストップで、みんなからすげー!と言われたものだから、さながら役者気分だった。 だけど、いつしか泣けなくなった。 泣きすぎて、涙がかれたのかもしれない。 あんなに泣いてばかりの日々を辛い辛いと言っていたくせに、いざ泣けなくなると、モヤモヤが消化しきれなくて苦しかった。 泣くのって本当は正

          自分の声ってどんなだったっけ

          風邪をひいてもう3週間たってしまった。 未だに治らず、洟は出るし、頭も痛くなるし、鼻声のまま。 謎に朝だけ乾咳も出るから、さすがにおかしいなと思い、病院にもう一度行くことにした。 喘息とかになってしまっていたら嫌だな〜と思いつつ、逆に原因不明ですとか言われるのもそれはそれで「またですか」という気持ちになるからなんとも言えぬ。 ここのところずっと鼻声だから、もはや自分の声がどんな感じだったか思い出せなくなってきた。 仕事柄、自分が喋った声をあとから聞くことが多いのだが、それを

          自分の声ってどんなだったっけ

          聞き間違い

          わたしは聞き間違いが多い方だと思う。 そして、そもそも人の声を聞き取る力が若干弱いという自覚もある。 だから、会話するときはものすごくエネルギーを使うし、わりと確認したり、聞き返したりすることが多い。 そんなわたしの今日の聞き間違いはというと… やば、忘れた。 何を聞き間違えたのかは覚えてるけど、なんて聞こえたのかは忘れてしまった。 ただ、とにかくありえない聞き間違いをしたのはたしかで、大笑いした記憶はある。 「サプライズ」と「チョコレート」くらい、なんの韻も踏んでいない

          無言と思い込み

          陶芸体験楽しかったね、と夕飯の片付けをしながら母と一昨日のことを振り返る。 ああすればよかった、こうすればよかった、なんて、後悔を話しているときがなんだかんだで楽しいのだ。 ふと、そういえばとなりで作っていた人たちはずっとお喋りしながら手を動かしていたけど、わたしたちはあまり言葉を交わさなかったし、それが居心地がよかったことを思い出す。 「そういえばさ、わたしたちって何かに向き合ってるとき、全然会話しないタイプなんだね。やっぱり親子なんだなって思った」 そう言うと、意外な言

          無言と思い込み

          立ちっぱなしってどうなんだ?

          今日も今日とて仕事に勤しんだ。 仕事柄、デスクワークが異常に多い日もあれば、ほとんど座れないときもある。 今日は座れない日、だったわけだけど。 よく、座りっぱなしは良くないと言われているし、実際デスクワークは身体の負担が大きいなという実感もある。 ただ、10時間くらいの時間をほとんど立って過ごすのも、果たしてどうなんだろうか。 とくにわたしは浮腫みやすいタイプで、なかでも足の浮腫には小さなころから悩まされてきた。 それが足の浮腫だと知らなかったころ、どうしてこんなにも痛

          立ちっぱなしってどうなんだ?

          陶芸を通して

          仕事前の空いた時間、陶芸体験に行ってきた。 そこでわたしは、世界でいちばん大好きな子の輪郭をなぞっていった。 あの子はもうこの世にはいないのだけれど、今もなお、ふとしたときにそばにいる気がする。 その頻度も時が経つにつれてどんどん減り、最近はあまり存在を感じなくなっていたから、きっとわたしのことを「ぼくが常にそばにいなくても大丈夫」って判断してくれてたんだろうなって、勝手に思っていた。 それはわたしにとって、うれしい成長でもあるのだろうけれど、やっぱり寂しくて、いつまでもあ