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今昔物語集 天竺の金持ちが牛に教えられる話 を読んで

みなさん、こんにちは。今昔物語集に収録されている「天竺の金持ちが牛に教えられる話」を読んだ感想を書いていきます。

あらすじです


天竺の金持ちとインドの最高位のお坊さんが千両の黄金(今で換算すると約1億3000万)を賭けて闘牛の勝負をすることになりました。勝負の日。互いに自慢の牛を出すと、金持ちは自分の牛に向かってこう言いました。

「あかん、これはあかん。顔や角も、なにもかもが弱々しく見える」

金持ちは、おそらくこの勝負負けるだろうな。とネガティブになっていました。案の定、お坊さんとの勝負に負け、千両を失いました。

「負けてしまったじゃないか、お前のせいだ。ほんとに、役に立たない牛だ」

金持ちは勝負に負けて、自分の牛に暴言を吐きました。

「旦那、そんなことばかり言わないで下さい。勝負に負けたせいは、旦那のせいですよ。『弱々しいとか、もうだめだ』と言われたからには、こっちだってネガティブになりますし、力が発揮しませんよ」

「じゃあ、どうすれば良かったんだ?」

「たとえ、私が弱っていても、自信を無くしていても、私を褒めて下さい。それだけで充分です」

牛が自信に満ちた顔でそう言うと、金持ちは「たしか、そうかもしれん」と納得しました。

お坊さんとの闘いから後日。牛の言葉が本当なのか確かめたい欲求と賭け金を取り戻したい欲求により、お坊さんと再戦をもちかけました。しかも、前回よりも3倍の賭け金付きです。

「お前は強くてたくましい。角はナイフのように鋭く、岩よりも硬い。顔は虎のように強いオーラをまとい、歴戦の戦士のような自信に満ち溢れている。さあ、いけ」

といった感じで金持ちは自分の牛を褒めちぎりました。

勝負が始まり、金持ちの牛は秒殺でお坊さんの牛を打ち負かしました。そして、お坊さんから三千両を頂き、リベンジを果たしました。


感想です


指導者や先生、両親などが生徒や子ども、弟子を成長させるためには

「褒める」

ということが一番かもしれません。

誰もが褒められると、「もっと上手くなりたい」や「楽しい」といったポジティブな感情にも繋がり、向上心を養う種になると思います。

この物語の最後にもこう書かれています。

このことからもわかるように、何事につけ、能力は褒める言葉に応じて開花し、功徳が得られるのである、ということで、こうして今に語り伝えられている。(巻頭四第三十三)
引用 今昔物語集「天竺の金持ちが牛に教えられる話」 五 異類と人間 から P385 作者不詳 大岡玲 訳 光文社古典新訳文庫 出版社

褒めるのが上手な人に人が集まりやすいのは、そういった背景があると考えられ、同時に「その人と一緒の空間にいたい」と思わせてくれます。

ただ褒めすぎると、調子にのってしまう人もいるので、状況に応じて臨機応変にしたいところです。

私もnoteを始めて2ヶ月経ちました。

みなさんからの「スキ」や「コメント」のおかげで投稿するモチベーションや執筆に対する向き合い方が少しずつ分かり、感謝しています。いつもありがとうございます。

最後まで、読んで頂きありがとうございます。

ほかにも今昔物語集についての記事を投稿しているので、良かったらご一読下さい。




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