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Takuya. O
2022年11月30日 20:09
「山は沈黙という言葉で語りかけてきた」という表現が印象的な、冒頭の登山の話に引き込まれた。途中で命を落とす確率が何割かあると言われるなかで、あの若さでK2に挑んだ決断に驚かされる。プラン通りにいかず、高度8000メートルの雪山でビバークするシーンはまさに生死の境だ。その体験が、勢いではなく、いったん体の中に入ったものを時間をかけて取り出したような距離感の、端正な文章で描かれている。小松由佳著『