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本を地図に旅したい

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書評というより、本を読んで自分の生活や考えが具体的にどう変わったか、みたいなことを書こうと思っています。
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2017年4月の記事一覧

読む人を圧倒しない普通の人の視線――川内有緒著『晴れたら空に骨まいて』

 『晴れたら空に骨まいて』を読んだ。国連機関で働いた体験を書いた本や、バングラデシュに伝統音楽の歌い手を探しにいく本を出している川内有緒さんの新刊だ。キャリアはすごいのに文章は平易で、何かいいなあと思っていたので、この本も手に取ってみたのだった。

 何かいいなあって、具体的に何がいいのだろう?

 国連で働くほどの人の知性に触れたいのかもしれない。芸大から海外の大学院に行って国連に入ったという

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「引き」と「寄り」を兼ね備えたら「深い」のかも

 松田青子さんの短編小説集『ワイルドフラワーの見えない一年』はウィットが効いていた。ウィットというか、アイデアが散りばめられている。いつもメモをしていると、前に読んだエッセーに書いてあったので、そういうアイデアがこの小説にも生かされているのかなあと思いながら読んでいた。

 例えば「少年という名のメカ」。これは映画やマンガに出てくる「少年」キャラ、純粋で周りの人がみんな応援したくなるような「少年キ

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戦争というレイヤーが背景に下がった

 写真家の橋口譲二さんによる『ひとりの記憶 海の向こうの戦争と、生き抜いた人たち』を読んだ。20年かけて作ったというライフワークのような本だ。

 橋口さんは、戦後も現地に残って暮らした日本人を訪ねて話を聞き、ポートレート写真を撮影した。インドネシア、台湾、中国、韓国、サイパン、ロシア、キューバなど、各地にそういった歴史を持つ日本の人が住んでいる。もう高齢になっているこの人たちのために何かしなけれ

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不満はチャンス

 人がうつ病になる前に最も見られる出来事のひとつが、夫婦間の不和だという。『対人関係療法で改善する夫婦・パートナー関係』(水島広子著)を読んだら、そう書いてあった。

 この事実からも、心の健康には家族との関係が重要だとわかる。つまり、家族の関係がよければ、多少の社会の荒波は乗り越えられるということ。対人関係療法とは、そういった近しい他者=「重要な他者」にスポットを当てる心理療法だ。

 配偶者や

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