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【RRR】【バーフバリ】とインド神話
「バーフバリとかRRRってインド神話と関係あるっぽいけど、なんか調べるのめんどくさいし、よく分かんないなー」て人に、浅ーく簡単にインド神話との繋がりを説明してみようと思います。
登場人物の名前
RRRを見ていると「ラーマ王子」「シータ姫」「姫は王子が迎えに来るのを待つ」というセリフが出てくるので、見た人は皆「なんか、そういう物語があるんだろうな」と思うよね。
その「ラーマ王子とシータ姫」の物語については、軽く調べればすぐに出てくる。
「ラーマーヤナ」という、インドでは知らない人がいない有名な叙事詩がそれ。
RRRの主人公の1人「ラーマ」と、そのフィアンセ「シータ」は、ラーマーヤナの主人公とその妻の名前そのままである。
RRRのもう人の主人公「ビーム(ビーマ)」のモデルになっているのは、「ラーマーヤナ」と並んでインド2大叙事詩とされている「マハーバーラタ」の登場人物。
ビーマは、神と人間の間に生まれた5人の王子のうちの一人で、”力持ちで頼り甲斐のある王子”の名前。
インドでは俗に「力持ちの人」を「ビーマ」と呼ぶらしい。
おそらくインドの人たちやインド神話を知ってる人たちは、登場人物の名前が出たところで「ほぉ!」てなってワクワクし始めるんだろうな。
弓矢
RRRの中で印象的な、急にラーマが弓を凄い使い始める、例の鬼のようにカッコいいシーン。
バーフバリの「射ても射ても何故か無くならない矢」がRRRにも出てきた!と思ったよね。
この、ヒーローがここぞと言う時に使う”弓矢”というアイテムも2大叙事詩に登場する。
RRRの弓矢の場面で流れている曲の歌詞に「シヴァの弓矢」が出てくるが、「シヴァの弓」は叙事詩の中で 美しい姫が「あたし、このスゲー重たくて普通の人間は絶対に持てない”シヴァの弓”を上手に射られた人と結婚するわ」と言う場面に出てくる。
「美しい姫が無理難題を出して、それができた人とじゃないと結婚しない」というのは「かぐや姫」と同じである。
因みに、ラーマーヤナの中に出てくる「大きくなったり小さくなったり飛んだりする凄い猿 ハヌマーン」は、西遊記の孫悟空のモデルになったと言われている。
インドの有名な2大叙事詩は、その面白さもあってインド発の作品だけでなく、昔から世界中の物語に影響を与えている。
王子様が追放されちゃう
「その王子様は悪くないのに!悪い奴のせいで追放されちゃう!ひどい!」という展開は、2大叙事詩の両方とバーフバリに共通している。
カッコよくて優しいヒーロー的な王子が、強欲な悪い奴のせいで王位を奪われる。
「本当に王にふさわしいのは、あの人なのにぃ!」
「しかも、いい人過ぎてすんなり受け入れちゃったよ!」
「なんとかしてあの人を王に!」
からの
「俺たちの王が帰ってきた!」
確かにこの流れ、ヒーローを応援したい気持ちが高まるよね。
しかも、この王子様のヒーロー具合がもう、王を超えて神だから。
王子様たちみんな、そんなことある?てことする。
王になるために生まれた王子たち、カッコイイ。
私はバーフバリの「バラーラディーバ戴冠式」の場面で、「バーフバリが王様過ぎて、王座の方からバーフバリに寄ってくる」て場面が大好きよ。
【ラーマーヤナ】
「ラーマーヤナ」がどんな物語かを簡単に書くと
「魔王に攫われた妻シータをラーマ王子が弟と共に助けに行く」物語。
RRRでビームがラーマを「兄」と呼び、(日本語字幕には無いけど)ラーマもビームを「弟」と呼ぶのは、ラーマーヤナが”兄弟で姫を助けに行く話”だから。
”魔王に攫われた姫を兄弟で助けに行く”というのはマリオブラザーズの設定と共通しているので「マリオは、ラーマーヤナが下敷きにあるのでは?」と言う人もいる。
そして、当然ラーマーヤナが下敷きにあるRRRも「インドのマリオブラザーズ」と言われるワケ。
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姫を攫った魔王は「羅刹王ラーヴァナ」。
顔と手がめっちゃ多い。
ラーヴァナは、創造神ブラフマーの子孫として生まれたのに、神と同じ「不死」の存在では無い。
長生きではあるけど、体にダメージ受けるタイプだから殺されたりはするらしい。
「不死の存在になりたい」と思ったラーヴァナは、めっちゃ修行する。
物凄いなんか、無茶な修行しまくる。
なんとか体を鍛えて、なるべく死なないように頑張るのね。
努力家。
ラーヴァナは、その努力と根性を認められて、創造神ブラフマーに「キミ頑張ってるから、ひとつ望みを叶えたげるよ」と言われる。
当然そこで「不死をくれ。誰にも殺されない存在にしてくれ」と言う。
ブラフマーは「じゃあ、神にも悪魔にも殺されない体にしたげるね」と言う。
努力と根性で不死身の体を手に入れたラーヴァナなんだけど、怖いものなくなったら強気になっちゃって、悪いことばっかりするようになっちゃった。
だから、神様たちの間で「アイツ、ちょっと殺した方が良くない?」となる。
「でもなー、神にも悪魔にも殺せないからなー」て考えてて、ヴィシュヌ神が気づくわけ。
「…え、待って。神にも悪魔にも殺されないってなら、人間なら殺せるんじゃない?」
そこで、ヴィシュヌ神は人間として人間界に降り立つことにする。
人となって、ラーヴァナを殺すために。
それこそが「ラーマ王子」である。
そらぁあんた、バカ盛り上がるわよ。
この
「願い事を叶えてやろう」︎ →(一見カンペキっぽい願いをする)→願い事の穴を突かれて「まさか!こんなはずでは…!!」からの破滅
ていうパターンが、この時代に既にあったのがすごい。
【マハーバーラタ】
「マハーバーラタ」はバラタ族の戦いを描いた物語。
「バーラタ=バラタ族」「マハー=偉大な」という意味ね。
マハーバーラタは、めちゃくちゃに長い。
ラーマーヤナも結構長いけど、マハーバーラタはちょっと読み切る自信が無いくらい長くてややこしい。
だって「世界最大の叙事詩」とか「古代インドの百科事典」て呼ばれてるんだもん。
頭の方だけ読んだ感じの感想は「ラーマーヤナより無茶苦茶しますね」て感じかな。
出だしの凄いところのあらすじだけ書くと
─ざっくりマハーバーラタの序盤部分─
ある所に、2人の王子がいました。
2人の王子のうち、兄の王子は盲目でした。
王様は、「盲目の者は王になれない」として弟に王位を渡しました。
弟の王子は、王になりましたが、呪いをかけられていました。
「女の人と交わろうとすると(交わる前段階でも)死んじゃうよ」という呪いです。
そこで、妻と神様との間にできた子供を王子として育てることにしました。
弟には、1人目の妻に3人、2人目の妻に2人の息子、計5人の息子が出来ました。
(1人目の妻の次男がビーマ)
弟は、ある日2人目の妻とお散歩をしていたら、なんか嫁の薄着にムラムラして、抱きついてしまいました。
「女の人と交わろうとすると死ぬよ」の呪いが発動して死にました。
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王位は、盲目の兄に移りました。
兄には100人の息子がいました。
なんで100人もいるかって言うと、
奥さんが身篭ってから2年も生まれなくて、産まれたらなんか金属のでかい塊で、1回捨てようとしたけど、聖者の人が「ちょっと待て」て言って、水かけたら100個に別れて、それを乳製品に漬けたりしたら、
なんか知らんけど100人の息子になりました。
盲目の兄は、自分の100人の息子と共に、弟の5人の息子も引き取って、王子として育てました。
100人の息子より、神様との間にできた弟の息子たちの方が優秀なのは明らかでした。
そこで、盲目の王は「弟の息子の長男」に王位を渡しました。
100人の息子たちは怒りました
(↑バーフバリと一緒!)
戦争だー!
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そんな感じ。
面白いのは完全に面白いよね。
興味持った人はがんばって読んでみてください。
という訳で、また何かインドのこと勉強したら書きます。
※本を読んでお勉強しただけで詳しい訳ではない人間が書きました。
色々ご了承ください。