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柿と漫画がほとばしった日曜
本心で書くのは怖いけど、やってみる。それしかないなと思うから。
今日は近所の人に柿をもらった。
![](https://assets.st-note.com/img/1700403969361-QaWRa2ef6B.jpg?width=1200)
スーパーで買うほど好き。実家に柿の木があり、よく木に登って食べていて「柿を買う」ことに抵抗があるけど買ってしまうほど好き、という意味。
近所の人ことSさんは、新宿まで電車で30分かからないこの土地に、よい感じの畑を作っておられて、私は毎朝毎夕、その畑と畑のあいだの小道を通って通勤する。バス通りからふっと、パッと見では気がつかないような路地を入ると見えてくる畑。味気ない大通りかと思いきや、こんな裏舞台があるとは奥深いし鼻が高い。
Sさんは「枝付きが見栄えがいいから付けてる」と言っていて、そうやって他のご近所さんにも配っているんだそう。たしかに、そんなこと考えたことなかったけど、枝があるとサマになるなと思った。日曜に参加しているバレーボールサークルがあって、そこの友達にもひと枝お裾分けをと、中でも枝ぶりの凄いのを渡すと、友達はそのまま枝を持って、提灯みたいに柿をゆらゆらさせて帰ったのが面白かった。スポーツジャージに提灯みたいな柿ぶらぶら。
もらった柿は果実が締まった感じがして、渋さもほんの少し感じられて野生味の中から出てくる甘さがおいしかった。慣れ親しんだ味という感じがして、好きなのはこちらだと思ったけど、バレーボールから帰ってきて夜中にかぶりついたスーパーの柿も、とびきり甘くてとろけそうで溢れそうな果汁が心底おいしかった。
結論、柿はうまい。
今日は仕事が休みでゆっくりしてて、ネットでたまたま見つけた武村沙紀さんという漫画家の作品をいくつも読んだ。バレーボールからの帰路でも歩きながら読んだ(危険!ごめん!)。
スラスラと読みやすかった。手応えががつんがつんあるのに、読みやすくて、それは「私に今、必要!」と心が求めている読みやすさのような感じがした。インドで詐欺師から8万円返してもらう話から読み始めて、手を繋いだこともない人と5回会って結婚した話で武村さんのこと「やっぱすごい好きだ」となって、LINEスタンプをゲットして、モグラとミミズから生まれたもくずの切ないお話を読んで、最後に、お腹を切って死のうと思った話を読んだ。
すでに、すごくすごく、会えて良かったと思っている。何がそんなにも響いているのか、また読んでみて、わかるようになるといいなと思う。
それに、何かが刺激されて、週刊少年ジャンプ編集部の人たちが作られた『描きたい‼︎を信じる』というマンガの描き方本を本棚から引っぱり出してきた。春に買った本。
それで、薄い紙のノートとペンを数本買った。また、好きな漫画の模写をしようと思ってのこと。そんなことでも、好きなことを少しでもしようと思った。ーー今は、新しい土地で新しい仕事、人間関係に上手くやりたい思いが空回るような忙しさで埋もれそうだから。
武村さんの漫画を読んで、自分を肯定してやっていいというような、そうやって、自分のありのままの好きを拾って進みながら人と繋がればいい、というような生命力、バイタリティを感じた。
「お腹を切った話」は夜に読んだけど、昼に読んだ漫画にすごく惹かれたワケがわかったような、この人は「ゼロからやってみた」人なんだという安心感がそこにあるのかなと思った。
大人になって、「持っているつもり」のものを疑って手放してゼロからやるのは、本当は難しいことだと思うから。
これからも、じっくり彼女の作品を読みたいなと思った。