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映画館の思い出たち②

今日も映画館の思い出話の続きから。

私の街にシネコンがやってきたのは1999年だった。何やら大きなショッピングセンターの中に映画館ができるということで、最初はへーそうなんだー。くらいにしか思っていなかった。

その頃は商店街でブラブラ買い物をしながら、ついでに映画館へ行くのが好きだったため、引き続き映画は商店街に観に行っていた。
1999年と言えば、ちょうど『踊る大捜査線』の初映画が大ヒットしてロングラン中だったから、これもまた結構並んで観に行った覚えがある。
織田裕二が200万人ありがとう。って告知してるスタンディが入口に飾ってた。
「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」は名台詞でしたね。事前にCMで散々見てたけど、実際に映画で観るとやはり感動しました。

そんな私が初めてシネコンを訪れたきっかけは2004年公開の『世界の中心で愛を叫ぶ』だ。懐かし―。
森山未來、長澤まさみ主演の感動ラブストーリー。
原作も大ヒット、映画は空前のセカチューブームが巻き起こっていた。

そして何を隠そう、香川県はそのセカチューのロケ地だったのである。
サクちゃんが駆け抜けた堤防とか、ブランコとかあって、例にもれず私もロケ地巡りをしたもんだ。

ご当地映画が大ヒットを飛ばすということ、それはなかなか観たくても映画が観れないということ。
当時信じられないくらい映画館が混んでいた。こんなに観れないことあるか?ってくらい。
商店街の映画館はスクリーンが2つしかないからあっという間に埋まってしまい、ブームになってるのになかなか観にいけない。
ということで、シネコンに観に行こう!という話になり、友人たちと一緒に初めてのシネコンを訪れることになったのだ。

入口に入ると現実世界とは切り離された、とてもワクワクするような空間が広がっていた。
少し落とした暗い照明と煌びやかなネオンサイン。ポップコーンのはじける音といい匂い。初めて味わうエンタテイメント空間にとても興奮したことを覚えている。

しかしロビーは大混雑!ちょうど前の回が退場、自分たちが入場する時はなかなか前に進む事すらできなかった。
壁にはセカチューのパネル展も展示してあったから、足を止める人も多く、まさにブームの渦中に立っている心境であった。

映画は原作と違うことなく大満足の内容で、森山未來がますます好きになった。彼が直後に出演していたドラマ『ウォーターボーイズ』も大好きだ。
ちなみに私は行ってないが、この頃デビューしたての長澤まさみが舞台あいさつに来たそうです。劇中で坊主になっていたため、髪は短いショートカットで当時は大変大人しい子だったそうな。

同時間帯にたくさんのスクリーンで、一気に多くの人が映画を観ることができる施設シネコン。その効率の良さに感動した。立ち見のない定員入れ替え制で分かりやすい。
商店街の映画館も好きだけど、すべての映画を上映できるわけではないだろうし、これからはどちらも利用しようと決めたのだ。

しかし、蓋を開いてみると大作と呼ばれるメジャーな映画はすべてシネコンで上映するようになった。
商店街だけで上映している映画というものが極めて少なくなり、観たい映画のほとんどはシネコンに集約されていった。

すると数年後、商店街の映画館は閉鎖することが決定した。これに至るまでの展開は結構急速なもので、今でも残っているのは単館映画館1館だけとなってしまった。
ここの単館はシネコンでは上映しないようなインディーズ映画をずっと上映しているので、結果生き残ったというわけだ。

商店街の映画館が大好きだった私は大変ショックだったが、これも時代の流れかと受け止め、引き続きシネコンで映画ライフを楽しんでいた。

次回はそんなシネコンで私が働きはじめた話をしたいと思う。

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