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映画館の思い出たち①

今日は思い出話をひとつ。
わたしは子供の頃から映画館で映画を観るのが好きだった。
母も映画が好きで、金曜ロードショーやビデオでいろんな作品を一緒に観た記憶がある。『スーパーマン』『キングコング』『猿の惑星』とか、好きで何度も観ていた。

その頃はまだかろうじて商店街の映画館もいくつか生き残っていた時代。
東映・松竹・東宝のロードショー館と単館映画館が商店街に1館ずつあって小学校・中学校の時は商店街の映画館に行っていた。

最初に映画館で観た映画の記憶は朧気だけど、母に連れて行ってもらった『東映まんがまつり』だったかもしれない。
ドラゴンボール、セーラームーン、幽遊白書など3本立てで上映していて、ワクワクしながら観に行った。

定員入れ替え制なんてシステムは当時なかったから、全席自由席で好きな時間に入り、映画を見逃した部分は次の回でそこまで見直すことができる時代だった。立ち見も当たり前。
今思えば何の情緒も無いなと思う。途中から入って話がさっぱり分からないから。
でも時間さえあれば何周も出来てしまうという謎のシステムだった。

そして自分の意志で映画を観にいこう!と思っていったのは『もののけ姫』『家なき子(なぜか同時上映がメカゴジラ)』だったように思う。
『もののけ姫』は何かすごい映画が上映されるぞ!と巷で話題になっていて、でも混んでてなかなか休日には行けなくて、部活を休んで平日に観に行った記憶がある。部活を休んでしまった罪悪感と闘いながらも、壮絶なストーリーに引き込まれていったものだ。
ジュースをガブガブ飲んでしまったから、最後はトイレに行きたい記憶が鮮明に残ってはいるのだが。

中学生に上がると映画の楽しさを知り、色んな映画を友達と観に行くようになった。
チケットの前日販売なんてものも無かったから、人気作品は当日早くに行って並ぶしかない。その回が売り切れていたら次の回が始まるまで床に座って待ってた。

一番待ったのは『エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』だった気がする。列は映画館の外までとぐろを巻き、何時間も友達と待っていた。あれを映画館で友達と観た時の気まずさったら無かった。

あとは、『バトル・ロワイヤル』も友達と観に行った。中学校の帰りに観に行ったらR15映画だから中学生は観れませんと言われて大変ショックだった。
しかしどうしても観たかった私たちは休日に私服でリベンジした。
(良い子はやってはいけません)

そうしたら、柴咲コウが友達を襲う面白いシーンで映像が止まってしまい画面は真っ暗、画面からはうめき声や悲鳴だけが聞こえてきた。
この頃の映画館もお客も大分緩かったので、誰も文句言わず復旧を待って、始まったら気にせず観てた。
もちろん映画館側からも終了後に何のコメントも無い。

『リング』を観にいったら怖すぎて腰を抜かして席から立てなくなったり、ジム・キャリーのマスクが面白かったから同じく主演の『マン・オン・ザ・ムーン』を友達を誘って観にいったら死ぬほどつまらなかったり。

学生時代の映画の思い出は何かしらエピソードがくっついていて、今でも鮮明に覚えている。

そこから2000年に入って、街にシネマコンプレックス、いわゆるシネコンが登場した。
それは商店街の映画館たちにとっては黒船襲来の脅威であり、田舎の映画ファンにとっても映画鑑賞体験を一変させるものとなった。

シネコン初体験の続きはまた別の機会で話せたらと思う。

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