南アルプス・神宮川本谷(沢登り)
9月半ば、所属山岳会の仲間と釜無川の支流神宮川の本谷を遡行してきた。
この川、もともとは濁川という名前だったのだが、1970年代に現在の名前に変更になっている。
花崗岩の白い岩肌が特徴的な明るい沢だが、明治神宮で使われる白い玉石がここで採集されて奉納されることから神宮川と改名されたのだとか。
下流部にはサントリーの白州工場があり、まさに南アルプス天然水の故郷でもある。
早朝、神宮川沿いの林道ゲート前に車を停めて、しばらく林道を辿ると笹ノ沢との出合先に大きな堰堤がそびえている。
以前にここから笹ノ沢を遡って、口ノ鬼ノ窓という不思議な名前のコルから東の黒川方面へ乗っ越したことがあるのだが、今日は堰堤を越えてから上流へまっすぐに進む。
さらに上流の巨大堰堤2基は左岸に設置された階段を使って簡単に巻ける。最後の堰堤の手前では右岸から日向沢が出合う。
堰堤地帯を越すと、ようやく沢登りの始まりである。
最初の3連瀑、次の20m滝は巻いて越える。その先の鞍掛沢出合付近の本流には、滝の上に超巨大岩が引っかかっていて、なかなか目を惹く光景だ。
ここを越えるとゴルジュ帯となる。ゴルジュ内は滝のオンパレードだが、崩壊が激しい箇所や岩が複雑に積み重なった箇所などもあり、部分的にちょっと面倒。
浮石なども多く、手足もホールドの崩壊・剥がれ・すっぽ抜けなど結構気を遣うところだ。また、一様に傾斜は強いので、どこからどこまでが滝なのかよくわからないが、標高はどんどん稼げる。鞍掛沢出合から2時間ほど上がったところで、いったん休憩。(Co1480付近)
この辺りから苔むした岩が増えてくる。苔むすくらいは安定してそこにある岩、ということだろうか。相変わらず沢の傾斜は強く、登るのに息が切れる。
休憩からさらに2時間ほどで大きな滝、下から見た感じでは20mから25mくらいの高さに見える。直登は難しそうなので、左岸の枝沢を使って巻き上がる。巻いている途中で滝の全容が見えたが、50m級の大滝でちょっとびっくり。よくよく見ると途中に傾斜が緩むテラス状の箇所があり、2連瀑という感じだ。下の滝30m、上の滝15mくらいだろうか。巻きは明瞭な踏み跡があり、15分ほどで完了する。
大滝上から10分ほど進んだCo1950付近の景観は特異。
左側にスラブの斜面が広がっており、斜面の途中に右の懸崖上から細い水流の滝が落ちているが、それが本流らしい...って、わかんねーよ。
本流の滝は当然登れないので、右から出合うガレ谷へ入って高巻く。上部で左へトラバースすると明瞭な踏み跡が付いており、上手いこと本流へ導かれる。そこから上部もいくつか滝が懸かるが、最後はザレザレの窪を落石に気を付けて這い上る。詰め上がると日向八丁尾根の登山道に飛び出す。
登山道は思った以上に幅広く歩きやすかった。詰め上げた地点からは急ぎ足2時間ほどで日向山山頂。
今日はいいお天気だったので、日中はさぞ賑わっただろう山頂だが、こんな時間なので誰もいない。あと1時間足らずで暗くなるだろうから、今日もヘッデン下山だなあ・笑
山頂からは北東尾根を降る。暗くなってしまったので、途中で若干うろうろした結果、林道に降り立ったのが19時50分。ゲート前帰着20時。
5年くらい前にヤチキ沢を登って北東尾根を下山した時は、あまり悩まずにすんなり降りられたのだが、昨年、今回ときちんとトレースできていないのは、何か釈然としない…。
そして、遅くなってしまったので特急を逃してしまい、韮崎から鈍行で帰京。最寄り駅着は午前様になってしまった。が、まあ女川の時の朝帰りよりはいいか・笑
日程:2023年9月24日(日)
天候:晴
メンバー:nt(CL)、ti、mh、tapiola
地形図:長坂上条、甲斐駒ヶ岳
コースタイム:林道ゲート前(7:04)-笹ノ沢出合(7:26)-鞍掛沢出合(8:55)-Co1480付近(11:25/50)-50m大滝(14:00/15)-Co1950地点(14:20)-本流Co2000付近(14:45)-日向八丁尾根(15:22)-鞍掛山分岐(15:50)-日向山(17:10/20)-林道(19:50)-林道ゲート前(20:00)