コドモゴコロを覚えてる?
昔小さい頃、よく遊んでくれていたお兄さんと紙とセロテープだけでマンモスを作った。
全長3メートルくらいの、巨大な紙のマンモス。
完成したときは達成感よりも、そのマンモスへの愛情で溢れた記憶がある。
案の定「おうちに持って帰りたい」と駄々をこねて泣き、お兄さんと母親を困らせた。
結局号泣しながら後片付け。その日でお別れだった。
写真も残さなかった。
かなり昔のことだけど、そんなことを今でも覚えていたりする。
そしてあの時感じた「紙のマンモス」への愛情も。
いい経験だったな、と今になって思う。
そういえばそんなこと、紙粘土とかでもあった。
紙粘土で作ったオリジナルキャラクターとテレビを見たり、
指人形とお風呂に入ったり、
それらや部屋のぬいぐるみを並べて(15体以上はいた気がする)一緒に布団で寝たり。
どの子も仲間はずれにはせず、部屋の人形すべて一緒に。。
呼吸もしない"モノ”だけど、愛情を注いでいた。
こどもなりのオヤゴコロだったのかもしれない。
あれって、とても大事な感情だったはず。
コドモゴコロというものはどうしても、なぜか少しずつ大人になるにつれて消えていってしまう。
ほかにも大切なことを知っていくから・・というのもあるのだけれど。
それぞれにつけた名前や、ひとつひとつの思い出はほとんど忘れてしまったけど、
その時々に感じた喜びや悲しさが、紛れもなく今の自分の一部になっている気がする。
大人からみればその時期だけの遊び道具に思えてしまうけど、子どもにとってはひとつひとつが色んなことを教えてくれるかけがえのない遊び相手だ。
大人になってしまった僕はつい忘れてしまうから、書き残しておこうと思った。
谷口