映画 ヒトラーの忘れ物 (2017)
ヒトラーの忘れ物 Land of Mine(2017)
アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート作品
デンマークとドイツとの合作映画。
脚本・監督 マーチン・サントフリート
ローラン・ムラ(軍曹殿)
ルイス・ホフマン
1945年、第二次世界大戦直後ナチスドイツ軍によってデンマークに埋められた地雷を除去する少年兵たちの物語。
http://hitler-wasuremono.jp/ 公式HP
私がこの作品を見るにあたって注目したポイントを書き出しました!
①死と隣り合わせの緊張感
戦後処理の仕事をさせられる子供たち。
ドイツが埋めた地雷はドイツ民が処理しろという理屈にはあっているけど、今後まだ未来のある少年たちにさせるとは…
戦争が終わったからといってすべてが解放されるわけではありません。
街は壊れ、物資も何もなく、
さらに殺し殺されの中にあったわけだから、
敵国に対する傷は癒えないでしょう。
挿入曲などほとんどなく、
息遣いや足音、風の音などが聞こえ、
地雷を扱うことへの緊張感がひしひしと伝わってきます。
きのこ雲みたいな灰色の雲は、
原爆(爆発)を思い起こさせるような雲を表現していると感じました。
②人間ドラマ
セリフも少ないにもかかわらず、このような緊張感が伝わるのは、
演技力の高さとそれぞれの個性、
そして敵国ではあるが人間としての心を持つ軍曹殿との絆のドラマが映し出せているからでしょう。
スープを配る少年は一番最後に自分の分を取り分けるが、他の人には具材が4・5個に対し自分の分は1個しか残っていない。この少年の優しい性格だとわかります。
・双子や兄弟が危険な時にあったときには、相方が一番緊張し悲しむ様子
・文句を言わず、大人には反抗できない子供たちの様子
・手足を吹き飛ばされ「家に帰りたい」と母親を呼ぶ子供の限界
・お腹が空き、体調を崩していく様子
・徐々に少年たちに情が移る軍曹殿も、犬を可愛がるくらいだから本当は優しい人でしょうね
・サッカーをしたり冗談を言い合うシーンでは、絆が育まれていくことが分かります
③屋内と屋外のギャップ
白いサラサラの砂と青い海の美しいロケーションが、死を引き寄せる場所になるとは、内容のギャップがすごいですね。
そして人里離れた浜辺近くに住む自然の豊かさ。
一方で、狭くて暗い室内では、古いベッドが並び圧迫感が演出されていることがわかります。
最後に感想ですが、
4人の少年たちをドイツに帰した軍曹殿はどうなったのか。命令に背いて帰したわけだから、きっと罰を受けたでしょう
しかしそれはこの作品で描かれていませんでした。
この少年たちのみならず他にもたくさんのドイツの子供たちが、永遠とこのようなひどい始末に合っていると思うと、心が苦しくなります
デンマークとの関係性、
地雷の除去をしていた人の多くは、まだ未来のある少年兵であったこと、
これらは公にあまり出ていなく、デンマーク人も目を背けてきた隠された事実ということで、とても残酷で厳しい本当の現状だと知りました
この作品中、いつ爆発するか終始ドキドキで、私も気を抜けずに見ていました。
歴史的に学ぶことも多く、戦争の恐ろしさを理解できた気がします。
戦争テーマの映画はやっぱり考えさせられるものがありましたね🧐
作品から学ぶことがたくさんあるのも、映画を見る醍醐味です
おわり ありがとうございました🌻
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