
アラフォーおかんは韓国で大学卒業したよ
長かった。3年かかった。韓国のサイバー韓国外国語大学に編入して、卒業までにかかった時間が3年。
もっと環境が違ってたら、もっと年齢が若かったら、もっと体力があったら…と思わなかったといえば嘘になる。
39歳の誕生日を目の前にして、大学3年生の生活が始まった。
なぜ今更大学だったのか。学歴社会でマイノリティーの自分。
韓国で仕事を探そうとした時、私は
日本人(外国人)、
女性、
40代、
育児中(年の半分以上ワンオペ)、
最終学歴短大(専門)。
という韓国社会では、結構不利?な歓迎されにくいタイトルが目白押し。いろんな求人をみても、最初から無理よねーと思う事が多かった。
特に決定的なのは、働いてみたいと思う業種のほとんどは、4大卒と書かれている。
そう、特に外国人にとっては、母国ではないところで働こうとすると、4大卒は身分証明書みたいな物と言っても過言ではない。大学卒が偉いとかすごいとか、そういう話ではない。ただ、4大卒とそうでない人では社会の予想値が違うのを感じることがある。
知らないふりをしたくても、これは紛れもない現実。
私がやりたいことは何か。
私にできることは何か。
一つでも足りないものを埋めていけるなら、できるところからと思って色々やってみた。
↓
↓
-エクセルの資格を取得。
-ウエディングヘルパーの講習に通い、
結婚式で仕事。
-TOPIK6級(最上級)取得。
プラス、もともと日本語教師の資格を持っていて、短大卒業のあと、420時間以上の教育課程を終えた後、日本語教育能力検定試験*に合格している。ただ、この資格を履歴書に書いて就職…と思っても、国や会社によっては4大卒じゃないと…と弾かれることがある。
(*2024年に国家資格になったので、今後この資格を登録するための試験を受けるか考え中)
やっぱり学歴か。
もちろん学歴だけで選ばれるわけではないけど、仮にやってみたい職種にアプライしても、条件を満たしてなければ履歴書すら読んでもらえないこともある。
私が住んでいる、ここは学歴社会の韓国。自分が望む環境での仕事を選びたかったら『4年制大学卒業』のタイトルがあったほうが良い。少しずつ大学編入を現実のものとして考える事に。
サイバー大学との出会い
韓国のママ友で大学院に通ってる人がいた。そして、その人と共通の友達が大学に編入した。彼女が通っていたのがサイバー放送通信大学だった。子育てしながら大学に行けるというのを身近に知ったけど、すぐには行動に移せなかった。彼女とは、子育ての環境が違いすぎた。常に旦那さんがいて、子供は小学生。週末には子供を預けられる実家もある。かたやこちらは、夫は年の半分以上不在、ワンオペ外国人、下の子はまだ小さい。身動き取れなさすぎる。
そんな私も、下の子が幼稚園に通い始めると、平日の決まった時間に、一定の自分時間が取れるようになって、講義を受ける時間を確保できそうな気がしてきた。もう始めるしかない。
結果的にタイミングが良かった
夫に大学編入の話をすると、すぐ承諾。実は、もともと大学編入は勧めてくれていたので話は早かった。子供達の学校のスケジュールなどを考えても今しかない。
書類集めが意外と時間がかかった。大使館に行ったり、卒業した短大にも連絡して、国際郵便で成績証明書を送ってもらったり。そして、ちょうどこの年、数年ぶりにTOPIK(韓国語能力検定試験)を受けていたので、その結果もギリギリ出た!これで履歴書が書けた。
合格通知が来てから卒業まで
決まった時間に決まった分の講義の動画を見る。だんだん要領が良くなって、家事の合間に見たり、子供の習い事を待ってる間に、パソコン持っていって課題をやったり。難易度も幅広かったから、比較的優しいものや、課題が少ないものと、難しくて課題多めのものとバランスをとりながら履修。日本に帰省中も講義と試験。試験前や試験期間中は子供達に『ママは◯◯日から試験です!』と宣言して、いつもより早く寝てもらったり。
自分もちゃんと労うという事。
終わってみれば、あっという間だった。簡単な時間ではなかったけど、なんとかやりきったなぁくらいで、あまり深く考えてなかった。
でも卒業式に出て、その考えが変わった。
卒業ガウンを着て、家族と卒業式に来てる人がたくさんいた。いろんな学部の学生がいたし、いろんな年齢の、いろんな国籍の人がいた。みんなニコニコしてたし、すごく誇らしく見えた。それぞれの生活の中で、時間を割いて勉強した時間があって、家族や友達も、その姿を見てたんだろう。
そこで初めて自分もその1人だと認識した。つい自分の事になると、『まぁ、やれちゃったし。そんな大した事じゃないよ』って思ってしまう事がある。でもちゃんと『私も頑張った!』って思っていいし、そう思わないと、今この場にいる人にも失礼なんじゃないかと気づいたら泣けた。私も、なんとか講義を聞く時間を自分の生活の中に組み込んだし、子供が寝た後に試験受けたり、夜中まで課題やったり、夏休みも同期と一緒に勉強したり、冬休みも他学部の講義を受けたり、そんな時間を3年間過ごした。
ほら、私も頑張ったじゃん!て思っていい。

『卒業おめでとう』と言いながら
息子が渡してくれたのがハイライト
今後の展開
正直、卒業したからといって、私が置かれた環境は今すぐ会社に行って働ける!というものではない。まだまだワンオペ育児が私のメインの役割だし、今はそれを十分にやりたいと思えるようになった。子供が子供でいられる時間は思ってるよりも短いし、私が子供に関わっていられる時間も、実はそんなに長くないから。
でもこの先、子供達が大きくなって、今より私を側で必要としなくなったら、いつでも走り出せるように準備万端にしておきたいところ。そのための装備の一つとして、『4年制大学卒業』というアイテムを手に入れたにすぎない。
アラフォーで大学の勉強するなんて、最初は想像もしてなかった。海外で、子育てしながら勉強するなんて。でも少しずつ何かが近づいてきて、これはもしかして?と思ったタイミングで動いた結果が今。
常に前を向いて!と思って生活してるわけじゃあない。これは性格なんだな、とよく思う。常に、何かあるんじゃないか、他にも道はないか、楽しい事があるんじゃないかと思ってしまうのが私の性分らしい。これからも多少大変でも、ワクワクする事を探し当てていきたい。
(当分は家でのんびり…と思ってたけど、趣味で別の事を見つけたので、しばらくはそっちを楽しむ予定。)
※大学の内容などは、また別のnoteに書く事にする。
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