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[アラフィフ読書日記] 河童が覗いたインド 妹尾河童

もう表紙から引き込まれてしまう、妹尾河童さんの覗いたシリーズ。

その中でも私が一番好きなのは自分も訪れたインド編、私の中で永久保存版。
この本は平成3年出版となっているので、1991年3月出版。
私が訪れたのは1999年2月。

この本を知ったのは、インド訪問の後。先に知っていたら、河童さんのように何でも楽しむ精神が足りない私には「全然違うじゃん」みたいになりかねないので後から読めてよかった!

イラストの巧みさは言うまでもない。
さらに俯瞰図が楽しい。河童さんも上から見たわけではないけれど、それが描けてしまう凄さ。
舞台美術のお仕事をされているので、あらゆる角度からみた見え方を意識されているんだろうなぁ、、と。
そして、彼特有の手書きの繊細さと温かみ。

さらに、自分の常識をそっと脇に置いて、目の前のことをそのまま、かつ緻密に発見して楽しんでいるような文章の表現力。
同じ場所を訪れた身だからこそわかる、こんなところまで見てるの!という私の中のインド再発見に。(ヨーロッパ編がインド編ほどのめりこめないのはきっと私が知らない世界だから)

出版当時の価格で590円+税は、文庫本としては高かったのかもしれないが、今でいえば何千円してもおかしくない価値を感じます。
当時のインドを見る、インドの本質を知る、内容のとらえ方は様々と思いますが、私の中で国宝認定の書物、河童ワールドに浸ってほしい。