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百人一首04番/点と線と宇宙の話

この歌は、富士に降り積もる雪の美しさを謳っている。
田子の浦とは富士山が見える静岡県の海側の土地で、そこから見える美しい富士山の景色を歌っている百人一首。

この歌を調べた時、とにかく「静かな青と白」のイメージだった。
青い海から見える青い富士山と、それを繋ぐ白い雪。

吐く息も白く、息づかいさえ響き渡るようなしんとした世界。
とても静かな世界の中で優しく燃える白い雪。
そこに降る雪は宇宙で砕け散った星のように降り、点が線になり毛布のようにそっと富士を包み込む。

04番.歌の意味と解釈

No.16
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪はふりつつ

(山部赤人 やまべのあかひと )

▼歌意
富士山の神聖な美しさへの感動。
田子の浦の海岸に出て、はるか向こうを仰いで見ると、神々しいばかりの真っ白な富士山の頂に、今もしきりに雪は降り続いているよ。

嵯峨嵐山文華館より

16番.狸オリジナルの解釈とことば

▼狸/オリジナル解釈

こんこん こんこん
しんしん しんしん
富士を包む雪は真っ白に燃える
宇宙で砕け散った星屑のように
燃える白は点と線を繋ぎ
夢よりも静かにそっと富士を包み込んでゆく


この描きおろしイラストの富士山のてっぺんに白い猫がいる。
この猫は私の大切な相棒の「朝来(あさご)」
白い体にビー玉のような青い目を持つ朝来も雪のように私に会いにきてくれた、と思った。

冬になったらこの歌の景色を実際見に行きたい。
きっと一千年前から空気も湿度も何もかも違うから、この歌を謳った山部赤人と同じ景色は見れないかもしれない。でも1000年後の「今」のこの景色を見に行こう。

相棒猫の朝来(あさご)

狸(TANUKI POJRCT・Orie Tamura)

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