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百人一首03番/枕2つ抱きしめて眠る長い夜

夫婦や恋人になったからといって、1人ぼっちで眠る長い夜もある。
この歌は山鳥の夫婦になってもそれぞれ別々で眠りにつく習性と、山鳥の尾の長さを長い長い夜に喩えた一千年前の恋の歌。


03番.歌の意味と解釈

No.03
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

ながながし夜をひとりかも寝む
(柿本人麻呂 かきのもとのひとまろ)

▼歌意
長い夜をひとり寝るさびしさの嘆き。
垂れ下がった山鳥の尾羽のような長い長いこの秋の夜を、離ればなれで寝るという山鳥の夫婦のように、私もたった一人で寂しく寝ることになるのかなあ。

嵯峨嵐山文華館より

03番.狸オリジナルの解釈とことば

▼狸/オリジナル解釈

しょんぼりと垂れ下がる
山鳥の長い尻尾のような明けない夜。
あの人と離ればなれで
ひとりで眠ることなどできない私は
この長い秋の夜と手を繋ぎ目を閉じる。

この絵札には1匹の山鳥に対して枕を2つ描いた。
枕は2つあるのに、眠りにつくのは1人ぼっちで、この長い長い夜をあなたなしで眠れるだろうか、という愛しい人を想う詩。

1人で眠るにはあまりにも長い闇の中で、せめて星空と一緒に眠ることで寂しくならないよう、星を散りばめた。せめて星と、秋の夜と手を繋ぐことでひとりぼっちじゃないことを言い聞かせるように、枕ふたつを抱きしめて眠りにつく。


本物の山鳥の写真がこちら。(Google画像より拝借しております。)
尾が長く、ボーダーのような柄がとても素敵。

山鳥ってほんとに尾が長い。
描きおこした絵では、まるで猫がしょんぼりした時にしっぽが下がるように、山鳥の尾をしょんぼり垂れ下がって描きました。

Google画像

狸(TANUKI POJRCT・Orie Tamura)

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